【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの伍 (ページ6)

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??? side ページ6

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コイツは結婚をして
家族と子供が欲しいと言った

自分が今どんな状況に置かれているのか
わかっているくせに呑気なやつだ

あの涙は嘘もなければ穢れもない本物だった
そしてコイツは過去に何かを抱えている

だがコイツは汚れていないし
現にコイツは祝福されている

コイツも...同じ清い人間だ...
この世に清い人間なぞいてはいけない

『尾形さん?』

尾形「...」

『...どうしました?』

尾形「いや...」

コイツは変わった女だ

『尾形さんも悩み事ですか?』

尾形「ああ。」

『私でよろしければ相談に乗りますよ?』

尾形「...お前は変わり者だな。」

だが馬鹿ではない

尾形「今まで俺に構う奴はいなかった。」

尾形「お前は俺が独りでいるといつも隣に来るだろ。」

だから無駄に期待をしてしまう

尾形「お前は何で俺に付きまとうんだ。」

そんな事を言うと
コイツは困った顔をした

『迷惑...でしたか...?』

迷惑...か...
今まで迷惑だと思った事があっただろうか...

『尾形さんはいつも独りでいるので』

『でも安心して下さい、ここには仲間(みんな)がいるではありませんか。』

『なので私だって尾形さんだって独りという事はありません。』

コイツは烏合の衆を仲間と言った
それはあまりに愚かだ

尾形「今のうちだ、終わればまた独りになる。」

『いいえ、なりませんよ。』

そんな根拠は何処にも...

『土方ニㇱパたちは尾形さんのお仲間でしょう?』

『少なくとも土方ニㇱパは尾形さんを心配していましたし...』

『それに私は尾形さんが望む限りずっと傍にいるつもりですよ。』

コイツは俺の事を何一つ知らない
俺が今まで何をしてきたのかもコイツは知らない

だが...

『尾形さんは放っておけないです。』

『なのでせめて、このひと時だけでも一緒にいてあげます。』

『あなたの望む限り、もう充分だと言われるまで傍にいますので。』

望む限り...か...

無知でお人好しのコイツになら
望んでも良いのだろうか...

『そろそろ行きましょうか。』

そう言ってお前は前へ歩き出した

望んでも良いのなら...

『尾形さん...?』

尾形「俺がお前を連れて行くと言ったら...」

尾形「お前は俺について来るのか。」

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