【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの伍 (ページ3)

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思い出ページ3

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『オンタロシㇰオハオ』

『オハレヤンオハオ』

『エムㇱランケ』

『タマランケ』

私がウイルクに連れられ小樽のコタンへ来てから
今年は一緒に歌って遊んであげられないけど
こうして歌って子供たちと毎年遊んでいたなあ...

みんな元気かな...

尾形「今、なんて言ったんだ。」

『尾形さん!?』

『き...聞いていたのですか...』

尾形「ああ。」

懐かしくてついつい歌ってしまった歌を
いつの間にか私の後ろにいた尾形さんに聞かれていた

『この歌は実りの季節に歌う歌です。』

『樽がいっぱいだ(オンタロシㇰオハオ)、空けなさい(オハレヤンオハオ)』

『これは収穫した穀物のことを言っています。』

『刀落とせ(エムㇱランケ)、珠落とせ(タマランケ)』

『アイヌは鮭を獲ってシサㇺからエムㇱやタマを交換し、手に入れていました。』

『エムㇱは男性の儀式用の刀のことで、タマはタマサイという女性の首飾りのことです。』

私は尾形さんに歌のことをひと通り説明する

尾形「お前はその首飾りは持ってないのか。」

首飾り...

『アイヌメノコにとって、玉類はとても大切なものです。』

『祖母は母へ、母は娘へ...玉類はメノコの魂として代々伝承されてきました。』

『私の母はロシア人です。』

『樺太アイヌである父の両親は、父と祖父を置いて親族共々北海道へ移住したのですが...』

『北海道で流行った疱瘡で亡くなってしまい、死に別れとなってしまったので私にはありません。』

もし父の両親や親族が生きていたら
きっと出会うことができたのだろう

でも、もし父の両親や親族が生きていたら...
きっと私たちが北海道へ渡る事は無かったのだろう

そう考えると皆との出会いもなかった
少し...複雑だなぁ...

『尾形さん、知っていますか?』

『アイヌにはパヨカカムイ(・・・・・・)というカムイがいます。』

『パヨカカムイとは〝歩き回る〟という意味で、疫病を司る神様の事です。』

『カムイの中では珍しく人に害をもたらすカムイで、こんなウエペケㇾがあります。』

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