ヤマシギの恋占い ページ20
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アシㇼパ「さあ食べよう!!」
アシㇼパ「ヤマシギのチタタㇷ゚を煮込んだオハウだ!!」
私は気を取り直して
オハウを口いっぱいに頬張った
杉元「いただきます!!」
牛山「ん〜美味い!!」
『ヒンナヒンナ!!』
ヤマシギのチタタㇷ゚は絶品だ
アシㇼパと一緒に調理をしたからいっそう美味しくいただくことができた
アシㇼパ「アイヌの神謡にはヤマシギのカムイが出てくるお話がある。」
アシㇼパ「クマゲラのカムイとの恋のお話。」
『題して�爛筌泪轡�の恋占い�瓩任后�』
杉元「恋のお話?聞かせて...」ﾄｩｸﾝ
杉元さんがキラキラした目で私たちを見ているので
私とアシㇼパはヤマシギの恋占いのお話をした
ノーノチキ
小さな私の恋人に
逢いたくて
山に行きました
大きな
ギョウジャニンニクの
畑があったので
ノーノチキ
私の好きな人に
逢えるのなら
皮が剥けずに
根もついたまま
引き抜けるはず
ノーノチキ
そう言って
私が引き抜いたら
千切れて
新しい葉っぱしか
抜けなかった
腹が立ったので
空高く放り投げて
また山へ向かいました
ノーノチキ
今度は
オオウバユリの
畑があったので
小さな私の恋人に
逢えるなら
ちぎれないで
引き抜けるはずと
そう言いながら
引き抜くと
上手く抜けました
ノーノチキ
私は嬉しくなっていると
山で舟を彫っていた
小さな私の恋人が
微笑みを浮かべながら
私を見つめていたので
手に手を取って
出かけました
杉元「なんてカワイイお話...」
牛山「ウンウン」
ヤマシギの恋占いを聞いたとき
私もギョウジャニンニクやオオウバユリを引き抜いていたなあ...
アシㇼパ「イナンクルはよくこっそり山へ行って歌いながら引き抜いていたな。」
『そうですね〜』
ん...?
なんでアシㇼパが知って...
杉元「イナンクルさんカワイイ〜」
牛山「こっそり行ってたって所がまた...」
誰にも気づかれないように
こっそり行っていたつもりだったのだけど...
『まさか見られていたとは...』
お恥ずかしい...
アシㇼパ「イナンクルがまだ私くらいの頃だったな。」
アシㇼパ「たまたま森で見かけたんだ。」
杉元「乙女だね〜」
牛山「嬢ちゃんらしいな。」
私らしい...
『そ...そうですか?』
杉元「うん、イナンクルさんらしくて可愛いよ。」
私らしくて可愛...
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月23日 7時
