【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの壱 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:76 hit、合計:287,627 hit

支えページ7

.

杉元「アシㇼパさんが俺がイナンクルさんに会う前に言ってたんだ。」

杉元「イナンクルさんの容姿の事...」

私の容姿の事...

杉元「その時にアシㇼパさんが〝見た目で決めつけるな〟って何度も言ってて...」

杉元「最初見た時は驚いたけど、それは外国人だからとかそういうのじゃなくて...」

杉元「すごい綺麗だったから...」

杉元「アシㇼパさんは毎日自慢してたんだよ。」

アシㇼパが私を自慢してくれていたなんて...

杉元「それにイナンクルさんは他人思いの優しい人だ。」

杉元「イナンクルさんの事も知らないのに容姿だけで嫌う人はいると思うけど...」

杉元「そんな奴の言ってる事なんて気に留めなくても大丈夫だよ。」

杉元「イナンクルさんはイナンクルさんだ。」

杉元「イナンクルさんはアイヌとして立派に生きている。」

立派に...
そう言ってもらえると本当に嬉しい...

『ありがとうございます杉元ニㇱパ。』

『私は私...良い言葉ですね。』

誰かに認めてもらえることがこんなにも嬉しいなんて...

杉元「あ...あとさ...」

『はい。』

杉元「俺の事...アシㇼパさんみたいに呼び捨てでいいよ?」

呼び捨て
いきなりでは少々烏滸がましいので...

『杉元さん...』

杉元「その方が親しい感じがして良いね。」

親しい感じ...

『そうですね!!』

杉元さんも嬉しそうだから
親しい感じ...良いかもしれない...

『あ...もう陽が沈んでしまいましたね。』

『夕食ができる頃なので、フチのチセでアシㇼパが杉元さんを待っていると思いますよ。』

杉元「じゃあそろそろお暇するね。」

『送ります。』

私は杉元さんをフチのチセまで送る

.

-フチのチセ-

杉元「送ってくれてありがとう。」

『いいえ、お客人を送り届けるのは当然です。』

少し不器用で優しい杉元さんなら
アシㇼパの事を...

『杉元さん...』

杉元「ん?」

『アシㇼパはしっかり者で、知識も豊富ですし、いつも冷静に物事を考える事ができる子です。』

『ですがまだいたいけない少女です...』

『金塊探索は過酷な旅路となるでしょう。』

『どうか...アシㇼパを支えてあげてください...』

杉元さんならアシㇼパを...
ウイルクやレタㇻがいた頃のアシㇼパに...

『それでは。』

杉元さん...

笑っていたけれど
少し悲しそうな顔をしていた...

.