03-■confidence ページ3
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そして何故かその放課後、私は図書館に居る。
……キングスカラー先輩と一緒に。
周りの人の目線がすごく痛い…。
主にサバナクローの人たちの。
何でお前みたいな草食動物が寮長と同じ椅子に座ってるんだって目をしてる(事案)。
「おい、手が止まってんぞ。
折角俺が教えてやるってんのに」
「そ、そうはいっても…! そ、その…」
距離が近い!!
そもそも二人用の長いすにこんなに密着して座る必要なんてないし、間近で吐息が聞こえるせいで集中できないしこれってラギーより質悪いのでは…?
というかさっきから見えないところで足同士を絡めてくるのは何のいたずら??
本当にこの人は嫌がらせしか思いつかないな!!
「…ッキングスカラー先輩!」
「ん?」
「……何、でもないです…」
文句の一つでも言ってやろうと振り向いたのに、無駄に顔だけは良いせいで大敗北した。
頬杖つく先輩は不敵に笑って私を見据える。
数時間前ラギーを断った自分を殴ってやりたい。
「……そこ間違ってんぞ」
「へっ?」
「その単語は猫じゃなくて鳥が使う。
だから意味は羽ばたくが正解だ」
ずっと頬杖をついて私の手元をぼうっと眺めてたと思うと、長くてごつごつした指が視界に入る。
男の人にしては綺麗な指はノートの一点を指さした。
……驚いて先輩の顔を見ると「なんだ?」と不服そうな顔をしている。
「ちょっと意外で…。いつも授業サボってたから、てっきり出来ないのかと思ってました」
「授業は知ってる事ばっかでつまんねえんだよ」
「そうやってすぐサボるから留年するんじゃないんですか?」
「てめえいい度胸じゃねぇか」
「ヒッだからそういう所ですって!!」
別にキングスカラー先輩が嫌いなわけじゃない。
むしろ顔は良いし何だかんだ面倒見が良いから好感度は高いんだけ、ど。
何がダメかって。
_私、女なんだよね。
「お前ちゃんと運動してんのか?
どこもかしこも脂身みてえにやらけえぞ」
「先輩ッ!! 安易に腹の肉をつままないで下さい!」
「試験が終わったら筋トレも付き合ってやるよ」
「余計なお世話です!!」
この学園で私が女だと知っているのは学園長と寮生の一部だけ。
だから誰にも知られてはいけないのに。
キングスカラー先輩はスキンシップが多いからハラハラする。
(もうバレてるんじゃないかって)
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小豆 -azuki- - とっても面白かったです!レオナさん大好きなので、二次創作でも本人らしい言動で書いてくださっていて読みやすかったです!私はゲームはこのお話のところまで行けていないので、ストーリーを早く進めたくなりました!面白い楽しいお話をありがとうございます! (2021年1月11日 2時) (レス) id: a6a087e4cf (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - あやかさん» あやか様、最後までご愛読ありがとうございました!この作品は残念ながらここまでです!後のお話は読者様のお好きな様に想像を膨らませて頂けると嬉しいです…!ウワァなんて嬉しいお言葉…身に染みます。ありがとうございます…! (2020年11月29日 9時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - すごく面白かったです!!キュンキュンしましたー!続編なんてない…かなぁ…なんて。もう本当に、終わってしまうのが勿体ないくらいです!!もっと見たかったー! (2020年11月28日 0時) (レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ま。さん» コメントありがとうございます!その一言、心に染み入ります!感想聞かせて下さり感謝いたします!ありがとうございます(^^) (2020年10月26日 11時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ま。 - 面白かったです! (2020年10月25日 22時) (レス) id: cd9d134222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年6月30日 22時