狗巻棘の元犬

元犬５匹 ページ6

狗巻side

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本家に着いて着付けしてもらう






今日は気合いが入っているのか髪のセットまでされて


少し照れくさかった





早くAに見せたくて、待ち伏せて


歩いてるAの手を引っ張った





Aは口をポカリと開けて、ただ





『ぁ、かっこい…』





とボソッと言うと慌てて





『に、似合ってます！！ね…すごく、はい…

あの、すごく似合って、ます…はい……』





なんて顔を真っ赤にして言うから


思わず笑ってしまう



「ありがとう」






と言うと、Aがポロポロ泣き出して


今度はこっちが慌てる






『あ、ぅ…と、げくん…幸せになって、ね…』


「…」







…Aの気持ちを知って黙ってる


まぁ、あれは盗み聞きだったけど








今こうして泣いて辛いのはAの方で




自分より俺の幸せばっか優先するのは

昔から変わらないなぁ






少しぐらい自分の気持ちを大切にしてあげてほしい



素直になってほしいって思う







泣いてるAの頭を撫でた








それと同時に俺がAを幸せにできるなら


そうしたいな、とより強く思えた









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