狗巻棘の元犬

元犬１０匹 ページ11

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『いや、この前みたいに一緒にお布団でって訳じゃ

なくて、私は床で寝ますんで、その…私の部屋

今本当に何も無くて、……』






パパパと早口で言い終わって下を見る


赤い顔、見られたくない








前棘くんと一緒に寝ちゃったのは、

気づいたら寝ちゃってただけだし…




本家の時は慰めるというかあれは寝たに入るのかなぁ









「しゃ、しゃけしゃけ」



『ごめんなさい…ありがとうございます……』





棘くんはちょっぴり動揺しつつも入れてくれて


私は震え声で部屋に入った







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当たり前っちゃ当たり前のことだけど、


部屋は棘くんの匂いでいっぱいで、


落ち着くんだけど、今はその匂いが逆に落ち着かない





なんだろ、常に抱き締められてる時みたい、な…







なんてモンモンと考えていたら声をかけられた





「お、ふろ？」


『お風呂！？あ、あぁ！お風呂！入ります！！』


「高菜…？」






お風呂って聞いただけで慌てる自分が恥ずかしい




自分だけ意識しすぎてさっきから空回ってる…








私はうぅ〜、と涙目になりつつも

先に浴びさせてもらうことにした






あ、そういえば





『(自分て今恋人、でいいんだよね…?)』



『(従者では、ないよね…?)』





奥様には一応本日限りで従者を辞めることは

伝えてあるけど、棘くんに伝え損ねてた




本当だったら本家の時、

全て終わったあとに言おうと思ってたのだ







私はこの後言うのに少し頭を悩ました









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