狗巻棘の犬

犬２８匹 ページ29

狗巻side


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家は息苦しい

一つ一つの発言が監視されているようで苦しくなる



『棘様、本家です。起きてください』



あぁ、もう家に着いたのか、

とAの肩に預けていた頭を起こす


「ん、」




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「…」

『？』

「おかか」



Aはいつものニコニコとした笑顔ではなく、

シャキッと従者らしくて、

よくそんなに普段とのスイッチを切り替えられるなと

少し感心した



…動画に撮ってみんなに送ったら泣いて怒るのかも、

なんて思ったり








数十人の使用人の列の真ん中を歩くのは

顔には出ないけどやっぱり少し恥ずかしい






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『会集までまだ時間がありますが、

お休みになられますか？』



パンパンになった手帳を見ているAに聞かれ、

コクンと頷き返す



学校ではポンコツそうなAは実はしっかり者だったりする


やっぱり従者の家系というものなのかは知らないが、

Aの父親もいつも手帳を持っていた気がする




『時間になられましたらお呼び致します』



朝が早くてあまり寝れてないのもあるし、

会集で寝ないようにもう一眠りすることにした




「(Aは眠くないのかな…)」




少し気になりつつも眠気には敵わず

そのまま寝た








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