67 ページ16
マンションの下まで送り、戸締りしっかりな。とAの髪を撫でて言えば、Aがその手をそっと包んだ。
『……明日も会える？』
「学校は？」
『冬休み』
下から見上げるAに、あー。そうか。と答えて俺の手を掴むAの手を握り返す。
「どっか行くか
10時ごろ迎えに来る」
その言葉にパッと明るくなったAの顔。
ほんとかわいい。
「行きてぇところあんの？」
『何も考えてない
ココに会いたいと思って』
普段すぐ顔赤くさせるくせに、たまに予告なしに爆弾落としてくるコイツマジで何なん。
そんなこと悟られないように、じゃ考えといて。ともう片方の手でAの頬を撫でる。
うん。と返事したAに、おやすみ。と伝えて手を離そうとすれば、掴んでいた手に力がこめられる。
「A？」
風邪引くから中入れ。と言おうと口を開いたが、俯いたAから小さな声が聞こえて呼吸を忘れた。
��今日はもうキスしてくれないの？��
目を見開いて見下ろしていた先にあるAの顔が少し上げられて、赤い顔と潤んだ目が見えた。
そしてキュッと握られた手にハッとして、先程頬を撫でていた手をもう一度持ち上げてAの顔に添える。
ゆっくりと腰を曲げて、目を固く閉じたAの口へ掬い上げるようにそっとキスをした。
ピクっと動いた肩に、頬に当てた手を少し滑らせて耳から首の後ろへ移動してAの顔を上に向かせ、角度を変えてもう一度唇を合わせた。
繋いでいた手を離してAの腰を抱き寄せれば、俺の服を掴まれる。
これ以上は多分やばい。
頭ではそう思っていても首の後ろにあった手は後頭部へ移動し、深くなるキスから逃げられないように更に腰を抱き寄せていた。
やべ。止まらねぇ。
『っ…ん』
そう思った時、鼻にかかるAの声が聞こえて手放しかけていた理性を取り戻す。
口を離して、もはやどちらのものかもわからない唾液で濡れた自分の唇を舐めとった。
ぷはっと息を吸って、息を切らしているAはまだ俺の服を握りしめていた。
とろんとした目で俺を見つめるAにドクンと心臓が跳ねて、その顔を見ないように抱きしめてAの肩に顔を埋める。
やばかった。
正直こんなつもりじゃなかったが、自分の理性が案外脆いことを知った。
『コ、ココ
くるしっ』
耳元で聞こえる声に慌てて腕を緩めて、肩に顔を埋めたまま一度深呼吸をする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 462人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉兎(プロフ) - えりちゃんさん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️ なんと2回目！楽しんでもらえて嬉しい限りです！！ これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！✨✨ (6月15日 11時) (
レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして☺️実は読ませてもらうの2回目なんですが､きゅんきゅんが止まりません！毎日の楽しみになっています💕 (6月15日 2時) (レス) @page7 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 香恋さん» コメントありがとうございます！ はじめまして☺️ 中毒症状出ましたか〜夜更かしまで😂😂 嬉しいコメント励みになります✨ありがとうございます🥰 頑張ります！！💪 (2023年1月29日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - はじめまして！一昨日この作品を見つけて、テンポも良いし面白すぎて読むのが止まりませんでした！読む手が止まらなくて中毒症状出ました笑。面白い展開と文才の凄さに夜通し読んでしまいました！更新楽しみにお待ちしてます😭 (2023年1月29日 13時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！！✨ 嬉しいお言葉感謝感激です！！🥳 地道に下書き進めてますので少しお待ちください！よろしくお願いします☺️ (2023年1月24日 22時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉兎
| 作成日時：2022年10月28日 18時
