欲しがりません、帰るまで 【ツイステッドワンダーランド】

さんじゅうさんわ ページ38

そんなチャラかった先輩は私たちをマジマジと見た後、何かを思い出したかのか声を上げた

「ってよく見たら君ら昨日10億マドルのシャンデリア壊して退学騒ぎ起こした新入生じゃん」
「オレたち卒業までシャンデリアのことずっと言われそうだな…」
『伝説になっちゃうね』
「A、笑い事じゃないぞ」

「しかも君はその日の晩に寮長のタルト盗んで罪の上塗りをした子だ!」
『罪の上塗り…』
「そこの子も手違いで連れてこられた女の子でしょ!近くで見るとやっぱり超可愛いね! 学校中で話題のニューカマーと朝一で会えるなんてラッキー♪」


先輩の勢いにタジタジになっていると写真撮ろうよと向けられるカメラで昨日のことを思い出してしまう
すごいスピードで撮られてマジカメに載せたいから名前教えてと言われたがあんまり知らない人に名前は…


「デュース・スペードです」
『言うんだ…』
「エース。」
『言っちゃうんだ…』
「グリムと、その子分のAなんだゾ!」
『私の名前も言っちゃうんだ…』


私の小ツッコミも無視して謎のコミュ力先輩はマジカメ(?)に写真をアップし終えた
現状スマホも持ってないからブサイクに写ってないか気になって上げられた写真を見たい所だけど見れない。辛い…


「あ、オレはデュースちゃんたちの先輩で3年のケイト・ダイヤモンドくんでーす。 ケイトくんって呼んでね。けーくん♡でもいいよ、特にAちゃんはね」
『な、なにゆえピンポイントで…』

よろよろ〜と呑気に手を振っているケイト先輩に苦笑いしながらはじめましてと挨拶すると今度は寮の話を始めた

「あ、そう言えばAちゃんってあのオンボロ寮の監督生になった子だよね。よくあんなとこ住めるね〜!女の子と猫1匹じゃ寂しくない?」
『くっ…うちの寮の事は触れないでください…』
「暗そうだしマジカメ映え最悪ってカンジ。ほんと同情する〜」
『くぅ…』
「コイツ、さっきからちょいちょい失礼なんだゾ」

ケイト先輩からの言葉に大ダメージを食らっているとエースくんとデュースくんが慰めるように肩を優しく叩いてくれた
君らに慰められても悲しいだけなんだけどね！！！！(ヤケクソ)

「って、話し込んでる場合じゃないんだった!」


思い出したように焦り出したケイト先輩は明後日のパーティーの為に薔薇を塗っていたらしいが間に合いそうにないので私たちに薔薇の色塗りを頼んできた

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