欲しがりません、帰るまで 【ツイステッドワンダーランド】

じゅういちわ ページ13

「なぁ、お前ら昨日の入学式で暴れてた奴らだろ?」

繋いでいた手をグイッと引っ張ってエースくんの綺麗な顔が近くなる
え、めっちゃ悪い顔してるじゃん⁉


「闇の鏡に呼ばれて特別生として招待されたのに魔法が使えない女の子と乱入モンスター。
　いやー、入学式では笑い堪えるの必死だったわ。」
「なぬ⁉ しっ、失礼なヤツなんだゾ！」
『グリム、絶対魔法使っちゃダメだからね、落ち着いてよ‼』


今にも怒って魔法を使いそうなグリムを抱き上げて避難させようと試みるもエースくんの力が強く抜け出せない


「で、結局入学できずに2人して雑用係?はは、だっせー。
　学園長も何考えてんだろーなAぐらいなら他にも使い道あっただろ。ちんちくりんだけど。」
『ちょっ‼どこ見ていってる⁉』
「Aから手を離すんだゾ!」


奮闘しているグリムに応えるように手を振り解こうとすると腰を掴まれさらに引っ付く体
ぐええええ‼こんなの顔がいいから許されるんだぞ‼


「お金困ってんならオレが助けてあげよっか?Aなら言い値で買ってあげるよ?」
『っ‼離して‼』
「おいおい、そんな暴れんなよ。からかっただけじゃん」

パッと手が離されて転びかけたがなんとか保てた


「そこの狸もAもさ、”グレート・セブン“を知らないってどんだけ世間知らずだよ。幼稚園からやり直すのオススメするわ」
「ぐぬぬぬぬぬ…」


笑って煽ってくるエースくんと切れる寸前のグリム。そして間でオロオロする私
授業に行くから掃除頑張って〜と最後まで馬鹿にしてきたエースくんは流石にムカついたけど今はグリムを…って


「コイツ〜‼言わせておけば‼もう怒ったゾ!」
『グリム‼待って‼』


私の声が先かグリムの鳴き声が先か見覚えのある炎がエースくんに飛んで行った
間一髪で避けたエースくんも中々の武闘派のようでグリムとの戦闘にやる気満々だ

私としてはそういうのやめて頂きたいんですが…
風を操るエースくんと炎を使うグリム、少し間違えれば周りを巻き込む大事になる‼
そうは分かっているものの周りには喧嘩を見ようと集まってきた沢山の生徒

私の静止を無視してエースくんに攻撃を仕掛けるグリム
そしてグリムの攻撃の矛先を風で変えたエースくん。その先は…


「あ”ー‼やべ‼ハートの女王の石像が黒焦げに‼」
『あ、あんなに綺麗だったのに』
「お前が炎の向きを変えるからだゾ‼大人しく燃やされろ‼」
『グリム‼』

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