欲しがりません、帰るまで 【ツイステッドワンダーランド】

じゅうわ ページ12

メインストリートの掃除をすべくグリムと2人で向かうと綺麗に飾られている七つの石像
この前は急いでたからよく見てなかったけど綺麗にされてるなぁ、ピカピカだ。

グリムも似たような事を思ったのか石像を舐めるようにじろじろ見ている
そして少しふくよかなおばさんの像の前に立ち止まった

「みんなコワイ顔してるけど、このおばちゃんは特に偉そうなんだゾ。」
『自我が強そうだよね…』
「ハートの女王を知らねーの?」

急に声をかけられ驚いで横を見ると目元に赤いハートのペイントが施されている男の子
ハートの女王という聞き慣れない言葉に首を傾げているとハートの男の子は詳しく説明してくれた

『よく知ってるんだね、好きなの?』
「うん、すっげぇクールじゃん!オレは好き」


笑顔が素敵だ…!顔がいい…!
多分この人子供の頃からこういう人懐っこい感じなんだろうな…とひとりしみじみ思っていると
唐突な自己紹介が始まっていた


「オレはエース。今日からピカピカの1年生、どーぞヨロシク」
「オレ様はグリム!大魔法士になる予定の天才だゾ。」
『あ、私…「こっちの大人しいのはA。オレ様の子分なんだゾ」…ちょっと』

グリムを抱き上げてエースくんに向き合う

『グリムが言った通りAです、良かったら仲良くしてほしいな』
「…ふーん、Aね。なんか珍しい響きだな」

なんだかジロジロと見られた気がしたけど…気のせいだと思いたい
会ってそんなすぐ嫌われることしたかな…(不安)

でもグリムの質問に笑顔で答えていってるし悪い子じゃ無さそうだ、良かった…
石像への質問を丁寧に答えてくれるエースくんの半歩後ろに付いて行き私もこっそりと勉強する
やっぱり此処に飾られているだけあってみんな凄い歴史があるな…

そう思っていると前方にグイッと引っ張られた

『え、ご、ごめん。後ろいたら邪魔だった?』
「いや、なんでそんな後ろに居んのかなって。Aも横来いよ」
『いやいや、私後ろで聞いとくから‼グリムにお話ししてあげて‼』


私の否定も聞き入れず手を握ったままエースくんは説明を続け、最後の薔薇の魔女の説明を終えて満足げなグリムを見て私も嬉しくなる…が、少し様子の可笑しいエースくん


「クールだよな〜。…どっかの狸と違って。」
「ふな“っ⁉」
『エ、エースくん?』


訳が分かってない私とグリムを置いてエースくんは大笑いしている

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