君との出会いを 2 【吉野北人】 (ページ37)

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北人side

Aちゃんがくれた指輪は
ゴールドのリングでシンプルだけどかっこいい。

もちろんリングがかっこいいのもあるけど
Aちゃんからもらったことが嬉しい。

やっぱり寒い中で見る好きな子って格別かも。

気持ちを伝えたいけどやっぱり勇気は出なくて、
また2人して黙りながら夜景を眺めた。

ふと横を見ると街頭に照らされた
Aちゃんの横顔が綺麗で見惚れる。

するとフッとAちゃんがこっちをみた。

A「…どうしたの？」

「いや、綺麗だね。」

A「ふふ、そうだね。
この夜景北人くんに教えてもらってから
ずっとお気に入りなの。だからありがとう。」

「え、ほんと？よかった〜。」

本当は嘘。
綺麗って言ったのは夜景のことじゃなくて
Aちゃんのこと。

でも勇気がないから夜景のことって嘘をついた。

仕事柄常に仕事のことを考えていることも多いけど
Aちゃんといる時は忘れる瞬間もあって
一般人の普通の吉野北人に戻れる気がする。

傷つけたくないから週刊誌とか
そういうのはもちろん気をつけるけど。

でもこの時間が幸せで、
ただそばで笑ってくれるだけで嬉しくて、
そうやって感じられる自分にも嬉しくなる。

今はまだ伝えられないけどいつかこの気持ちを伝えたい。