君と描く物語１２

＃５５４ ページ4

確かに、私のピンチにはいつも宇髄先生が駆け付けてくれた

一昨年の夏祭りも、去年の体育祭の時も
そして、修学旅行の時も今も…

A｢……そろそろ戻らなきゃですよね｣

天元｢大丈夫だよ。もう少し休んでけば？人酔いでもしたんだろ

少し顔色悪いし、上手く誤魔化してやるから気にせず休め｣ﾄｻｯ

A｢…///｣

私の隣に腰を下ろして優しくそう言ってくれる先生

……何でもお見通しなんだ…///


と言うか、良く考えれば… 部活以外で二人きりになる事自体が久しぶりすぎて
何だか急にそわそわとしてしまう…


今も付き合ったままでいたら、こんな風にこっそり二人で過ごしたりしていたのかな

たまたまでもやっぱり嬉しくなってしまう

でも…もう半年後には、こんな風に校内で偶然二人きりになる事もなくなる…

そう思うと凄く寂しいけど


天元｢だいぶ風が冷たくなってきたな｣

A｢…そう…ですね｣

そう思っているのはきっと私だけだから…


天元｢これで行事も全部終わっちまうな｣

A｢はい｣

空に視線をやりながら言う先生に、私も同じ様に流れる雲を目で追いながら答える

天元｢この学園祭が終われば、部活も一旦は引退になっていよいよ受験シーズン突入だ…

もう十分頑張ってるけど、気を抜かないようにな｣

そう言いながら、空を見ていた先生の目が私を映し
優しく見守る様なその眼差しを感じた

A｢はい…！最後まで頑張ります｣


ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ！

A｢あ…｣

先生と話していたら、ポケットの中の携帯が
交代の時間を知らせるアラームが鳴った

天元｢交代の時間か？｣

A｢はい…すみません、結局 最後かなり休ませてもらっちゃって…｣

天元｢いいんじゃねぇか？十分働いてたし

俺これから一旦職員室に寄るけど、教室まで一人で大丈夫か？｣

A｢大丈夫です！ありがとうございます｣

宇髄先生にお礼を伝えて腰をあげ、看板を置きに行く為に教室に戻ろうとすると

天元｢…A！｣

A｢…？｣

先生の声に呼び止められて振り向くと、ベンチからすくっと立ち上がった先生が真剣な顔を向けていた


天元｢…俺はいつでも応援してる。お前なら絶対大丈夫だ

……だから…自信持って行けよ！信じてるぞ｣

A｢…はい！｣


信じてる＿＿


それは…他のどんな知的な言葉よりも、ずっと私の背中を強く押す


私も私を……信じたいから

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