君と描く物語１２

＃５５３ ページ3

｢ねぇ、君ここの生徒？可愛いねー｣

A｢…っ｣ﾋﾞｸｯ


…びっくりした……っ

大きく空気を吸い込んで空を見上げていたら、その視界に急に現れた知らない男の人

私服姿のその人は、他校生か…大学生？

｢友達と来てんだけど、お勧めの店とかある？案内して欲しいんだけど｣

A｢えっと……案内所にパンフレットがあるのでそこに…っ｣

あんまり対応すると余計に絡まれると思い、少し行った所にある案内所を伝えようとしたが…

｢いいじゃんか、君が案内してよ…あ、ほら俺の友達も来たしさ｣

A｢いえ…あの……っ｣

その人が目線をやった先には、楽しそうにこちらに歩いてくる男の人が後二人

どうしよう、ここで騒ぎは起こしたくないけど
中庭を見渡しても先生どころか生徒の姿も見えなくて…

｢あれー？可愛い子じゃん、どうしたの？｣｢今 校内案内してって頼んでんだよ｣｢へーいいね！君名前なんて言うの？｣ﾋｮｺｯ

A｢あの…だから案内所に…！｣

そうだ、ポケットに携帯…！

そう思い出して取り出そうとした瞬間


｢おい、あんたら…その子囲んで 何してんだ…｣

A｢…！｣

低く響く声、聞き覚えのあるその声に振り向くと

天元｢…｣ｷﾞﾛｯ

A｢宇髄先生…！｣ﾎｯ

｢うわ…教師来ちゃったよ…っ｣｢平気だろ……やだな、そんな怖い顔して…俺達この子と知り合いなんすよ｣

…！？何言い出すかと思えば…っ

飄々とした声で最初に声を掛けてきた男の人が宇髄先生に言って見せるけど

天元｢…ふーん……そうなのか？A｣

A｢…｣ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯ

先生の問いに大きく横に首を振って答える

天元｢残念だが、人違いみたいだぞ…

顔は覚えた…今引けば上に突き出さずに目 瞑ってやるけどどーするよ｣

ゆっくりと男の人達に近付いて言う宇髄先生
視線はその人達をしっかりと捉えて離さない

｢……っ…ﾁｯ｣｢もういいよ、行こうぜ｣｢…んだよ、だりぃな｣

バツが悪そうに口々に言いながら立ち去るその人達の姿が見えなくなると、やっと肩の力が抜ける

A｢……先生！ありがとうございました…っ｣

天元｢おう……はぁ〜…間に合ってよかった｣

私の座るベンチの傍まで来て、ほっとした顔を見せる先生

A｢でも、どうして…｣

私、助けも呼んでなかったのに…

天元｢何となく嫌な予感がしたんだ…俺のそういう勘はよく当たるんだよ………特にAに関しての時はな｣ｸｽｯ

A｢…///｣

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