君と描く物語１１

＃５１４ ページ14

善逸side

驚いた…

大切な人に似てる…

そう話してくれたAちゃんの音が、以前の宇髄先生に向ける音と同じだったから……

それを聞いて気付いてしまった

善逸｢…Aちゃんの大切な人って、宇髄先生だったのか…｣ﾎﾞｿｯ

炭治郎｢ん？善逸、今何か言ったか？｣

善逸｢へ！？いや…！何も…っ｣

危ね…バイト中なのすっかり忘れて独り言なんて

Aちゃんと大切な秘密、聞かれる所だった…


前からお互いに向ける音が、他の人達への物とは違う事は分かってたけど
生徒と教師だし…流石に、それは特別 仲が親密だからとか そういうもんなんだと勝手に納得してたけど

よく考えてみりゃ、あれはどう考えたって恋してる音だったよな


…Aちゃんが元気無いのは、宇髄先生に振られちゃった…とか、そういう事なのか？
あんな美少女で中身まで可愛い子を振るとか考えられないんですけどぉ！？

…ん？いやいや、でもじゃあ 何で宇髄先生は相変わらず あんな音…

うわ…分かんねぇな……
特にあの先生の音って、不気味な程静かで分かりにくいんだよな

でも…確実に他とは違う、Aちゃんに対しては隠しきれないくらい音が出るから……

あんなに大切そうな音出すくらい想ってるはずなのに、何で悲しませる様な事をするんだろ

禰豆子｢善逸さん！そろそろ次のロールパンが焼き上がる頃だから、陳列棚の整理お願いしてもいいかな？｣ﾆｺｯ

…俺なら、絶対に悲しませない様に全力を尽くすのに

禰豆子｢…？善逸さん、どうかしたの？｣

善逸｢ううん、今日も禰豆子ちゃんは天使だな〜って！｣

禰豆子｢やだー、もう…善逸さんったら！｣

善逸｢本当の事だよ〜！｣

先生にそんな事言ったら、分かんねぇのはお前がまだガキンチョだからって言われそうだと想像がつくからムカつくけど

でも…

禰豆子｢最近Aさんとシフトが被らなくて会えてないから、この前相談乗ってもらったお礼も言えなくて…

早く会いたいんだけどなー…｣

善逸｢…そうだね｣

俺達の事も、いつも傍で親身になって応援してくれるAちゃんだから…

やっぱり好きな人と幸せでいて欲しいんだよね


だから宇髄先生の気持ち、間違わずに知ってて欲しい

そう思って、今でも特別に想ってるよって伝えたけど
ちゃんと伝わったかな…？伝わってるといいな…


頑張れ…Aちゃん……

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