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__天元「話があるんだけど、いいか?」
話…何の事かなんて、一瞬で見当が付いた
だって先生の手に持ってるそれ…私が昼間、小芭内先生に頼んで宇髄先生に渡して貰った進路希望調査票だもん…
やっぱり、気の所為なんかで終われなかった
ちゃんと…話をしなきゃいけない時が来たんだ
天元「…ここに書かれてる内容に…間違いはないか?これが今のお前の本心なのか」
私の座る机の前まで来た先生が、低く落ち着いた声で問いかけてくる
どうしよう、先生の目が…見れない
でも、ここで黙ったままなんて許されないのはわかってる…だから……
A「……はい、本心…です…」
天元「…っ」ピクッ
咄嗟に出たその言葉は、先生の眉を顰めさせ…悪夢の始まりの引き金を引いた
天元「……お前、去年の夏に県外の大学のオープンキャンパスに行ったらしいな…」
A「…!?なんでそれを…っ」バッ
知らないと思ってたはずの情報を先生の口から聞き、驚きが隠せずに顔を上げた
天元「興味あるんじゃないのか?何で志望しない
俺見たんだよ…前に図書室でAが眠ってる時、傍らに その学校のパンフレットが広げてあんの
あんなに大事そうに付箋まで貼ってメモ書いて…教えてくれよ…!なんで志望しないのかを…俺が納得するような理由を!」
A「先生…っ」
先生が怒っているのは声でわかる
嘘なんてつけない…けど…
A「わ…私があんなに凄い所に行っても、きっと他の人達に埋もれてしまう…から…」
取ってつけた様な理由…そんなものは先生に簡単に見破られるとわかってるのに
天元「…んだそれ……俺、そういう情けない理由で夢諦めるとか理解出来ねぇわ……
ごめん、A………俺達……別れようか」
A「……え」
天元「なんか今の聞いて冷めたっつうか…俺もっと自分に自信のある奴のが好きなんだわ
今のAには…これっぽっちも魅力感じない」
…目の前が真っ白になった
同時に見透かされた気もした…本音を…自分に自信が無い私を
離れてしまったら繋ぎ止められないと、どこかで自分を蔑んでいた事を
全部見透かされた上で、先生は私に愛想が尽きたと…そう言っているんだ
天元「…じゃあな」
先生が背を向けて部屋を出ていく
ガラァ……パタンッ
先生との関係が断ち切られる様に、扉が音を立てて閉まる
先生は何も間違ってない…私が悪い…わかってる
わかってるからこそ、言い訳も引き止める事も…出来なかった
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レモネード - なんだかますます二人の距離が離れていきそう……。さすがに昨夜の事を思うと中々寝れもしなかったのかなぁ?それにしても無一郎くん、帰ってきたら真っ先に宇髄先生の所に行って一言いいそうな気がする……。 (2021年8月19日 3時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 姉の蜜璃ちゃんに似て、スタイル抜群ですからねー!遂に先生に直接 昨日の事を聞いちゃいましたね…宇髄先生は一体何て答えるのか…。その返事によって、どんな未来に進んでいってしまうのか…。まだまだ安心出来ませんね… (2021年8月18日 18時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 夢主ちゃんの水着、きっと大胆なんだろうなぁ〜〜。4人で選んだからね。でも昨夜の事を未だに引きずっているのか、まだ宇髄先生のことをちゃんと見れないし、名前を聞くだけでも心臓が脈うつしねぇ……。このままじゃ、童磨か無一郎くんにとられちゃいそう……。 (2021年8月17日 22時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» この先、宇髄先生にとっては 事情を知る二人の存在が大きな支えになるかもしれませんね。そしていよいよ二日目!先生の昨夜の行動で寝不足な夢主…ハードな一日の始まりですが、この調子で大丈夫でしょうか…? (2021年8月17日 9時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 電話の相手は煉獄先生だったのね( ´Д`)=3よかった〜〜。宇髄先生も少しは心のモヤモヤは晴れたかな?夢主ちゃんを幼い頃から知っていて、傍で見守っていてくれた二人だからこそ、悩みを相談できるんだよね。これからどうなっていくのかなぁ…。 (2021年8月16日 0時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2021年7月23日 23時