君と描く物語 (ページ42)

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＃４２ページ42

カナヲ｢この角を曲がって…あ、あれかな？｣

A｢本当だ！かまどパンって書いてある｣

梅｢案外近かったわね｣

放課後になって、三人で竈門くんの教えてくれた場所に向かってみると
そこには三階建ての一軒家が建っており、一階部分がパン屋さんになっていた

ｶﾗﾝｶﾗﾝ…

A｢こんにちはー｣

ドアを開いて中に入ると、ふわっと鼻に届く焼きたてのパンの香り

炭治郎｢あ、いらっしゃい！迷わず来れた？｣

カナヲ｢うん、地図ありがとう…！｣

炭治郎｢どういたしまして！皆どれでも好きなパン選んでくれ。選び終わったら二階に案内するから｣

梅｢あれ、善逸は？今日バイト休み？｣

炭治郎｢今日は委員会で遅くなるけど、終わったら来てくれるって言っていたよ｣

梅｢へー、じゃあ煩いのが居ない内にさっさと選んで二階行っちゃいましょ｣

A｢善逸くん泣くよ…？｣

相変わらず辛辣な梅ちゃんとそんな話をしつつ、三人それぞれ好きなパンを選ぶ

炭治郎｢あ、選び終わったね。じゃあこっちに階段あるからどうぞ｣

カナヲ｢え…でもまだお金…｣

階段を上がると言って案内してくれたのは、レジのある方とは逆側

炭治郎｢せっかく来てくれたんだから、サービスさせてくれ

さっき母さんに話したら是非そうしろって言ってくれたし、気にしなくて大丈夫だよ｣

カナヲ｢でも…｣

炭治郎｢うーん…じゃあ、また食べに来てくれる？

そしたら、その時はちゃんと受け取るからさ｣

カナヲ｢…！う、うん…！必ず！｣

竈門くんの笑顔に、カナヲが赤面しながらも嬉しそうに笑い返す

カナヲ、嬉しそう…

A｢よかったね、カナヲ｣ｺｿｯ

カナヲ｢うん///｣

｢炭治郎、お友達来たの？｣

炭治郎｢あ、母さん！うん、今から上に案内しようと思ってる｣

｢そう。まぁ、可愛らしいお嬢さんばかりね…初めまして、炭治郎の母です｣

工房らしき奥の部屋から顔を出したのは、竈門くんの雰囲気によく似た優しそうな女性で…目元なんかがそっくりだった

カナヲ｢初めまして…！｣

梅｢お邪魔します｣

A｢あの…パン、ご馳走して頂いてありがとうございます｣

｢いえいえ、他には何のお構いも出来なくて…お口に合うと嬉しいわ。ゆっくりして行ってくださいね｣

炭治郎｢じゃあ、案内するよ。こっちにどうぞ｣

私たちは竈門くんのお母さんに軽くお辞儀をして一階を後にした