#18 ページ18
ガラァ…
A「お疲れ様です」
美術室の扉を開けると、室内には数人の同級生や先輩達の姿が見えた
「お疲れ様。はい、今日の記帳表」
A「ありがとうございます」
部室に来てまずするのは、先生が今日どの部員が活動しているかを把握する為に用意されてる紙に名前を記入する事
各々作業を始めてしまうと、ほとんど部室には誰も居なくなるので一番初めに必ずする様に言われてる
記帳が終わると必要な道具を手に取り、それぞれ自分の作業をする場所に足を向ける
私はまだ仮入部にスケッチを始めたあの中庭の絵が途中の為、今も毎日 中庭のベンチが定位置になっている
A「今日はどこまで進められるかな…」
手に持っていた物は鉛筆から筆に変わってはいるけれど、細かい光の加減などが納得いっておらず苦戦中
部に入ってからの最初の作品になるから、とにかく納得行くまで頑張ってみたくて試行錯誤を繰り返す
パレットには緑やオレンジ、黄色など…思う色を広げて筆に取り描いていく
他の事は何も考えず、絵の中だけに集中する
2時間が経った頃、少し固まった体を伸ばすために立ち上がり伸びをする
A「ん〜…っ」
深呼吸をして見たり、空を見上げたりして気分転換をしていると
校舎の方からこちらに近づく足音が聞こえてそちらを見ると、その足音の主は宇髄先生だった
天元「今日はバレたな」
A「いつもいつも気づかない訳じゃないですよ」
天元「休憩中か?進行状況はどうだ?」
隣に座って私の絵を覗く先生
A「うーん。頑張ってはいるんですが、そう簡単には完成とはいかなくて」
天元「ゆっくり時間をかけてやればいい。焦ってやるもんでもないしな
無理に切り上げて終わらせたんじゃ、面白くもねえしな」
A「はい。頑張ります!」
天元「ん。お前は絵に対して真っ直ぐで素直なのがいい所だから、あんまり難しく考え過ぎないようにな」
そう言うと、先生はまたいつもの様に私の頭を優しく撫でる
…先生の癖なのかな?
正直、先生の大きな手に撫でられると
その暖かさと優しさで胸の奥がぎゅっとなってから、それに少し遅れてそわそわした気持ちにもなる
安心感と一緒にくる、この擽ったい感覚は一体何なんだろう
天元「ん?どうかしたか?」
A「いえ…なんでもないです」
そんな事、先生に聞ける訳もなく…
私がその答えに気付くのはもう少しだけ、先の話
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作者名:P | 作成日時:2021年1月6日 2時