八代拓 ページ14
【八代拓×年上彼女×仕事】
職業:会社員
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『ごめん!ほんっとーにごめん!』
八代くんを前に両手を合わせて謝り倒す。久しぶりのお家デートだと言うのに、そんな時に限って持ち帰りの仕事を押し付けられた。本来なら私の仕事ではなかったのだけれど、担当の後輩が「今日はデートなんですぅ」と早々に帰宅してしまったのだ。私だってデートだ!と言いたいところだったけれど、八代くんのことは周りに内緒にしているし、こういうときに上手く立ち回る“可愛げ”みたいなものを、残念ながら私は持ち合わせていなかった。
八代「大丈夫ですよ。後片付けも俺やりますし」
夕食をモリモリ食べながら、八代くんが微笑む。
『いいの?!助かる!』
八代くんのその言葉に甘えて後片付けを任せ、私はお風呂もシャワーで済ませるとパソコンに向かった。とにかく早く終わらせて、少しでも八代くんとの時間を作らなくては。私はひたすらキーボードを叩いた。
***
『終わったぁ〜』
1つ伸びをしながら振り向いて『お待たせ』と言おうとすると、それより先に八代くんが私を後ろから抱きしめた。
『ぅわっ』
八代「お疲れ様ぁ」
『えっと・・・ありがとう?』
八代「いい子で待ってたんですから、ご褒美は?」
『ご褒美?』
少し戸惑いながら八代くんを見上げる。
八代「キスしてください」
途端に頰が熱くなるのを感じた。私が困っているのをわかっていながら
八代「駄目ですか?」
と八代くんは更に甘えた声を出す。それがとても可愛くて、私は無言で頷いてしまった。八代くんはその場にしゃがみ込むと目を閉じる。私はおそるおそる八代くんの頰に手を伸ばすと、そっとその唇に口づけた。自分からキスをするのは苦手だ。
目を開けた八代くんは嬉しそうに微笑むと、立ち上がって今度は自分から私にキスをする。額に、頬に、首筋に・・・。
『待って待って。くすぐったい!首弱いの知ってるでしょ?!』
笑いながら、八代くんのキスから逃れようと体を捻る。
八代「だーめ。俺がどれだけオアズケ喰らったと思ってるんですか。逃しませんよぉ」
そう言って私の腕を引っ張ると、ソファに倒れ込んだ。
「『いった』」
2人同時に声を上げて、2人とも笑ってしまう。
明日も早いけれど、今日は少しだけ夜更かししよう。可愛い恋人がこの時間まで我慢して待っていてくれたのだ。
『ありがとう』
と頭を撫でると、八代くんはぎゅっと私を抱きしめた。
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ちとせまる(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。確認不足でした。申し訳ありません。オリジナルのタグは外しました。また、レスが遅くなり申し訳ありません。 (2020年7月11日 11時) (レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちとせまる | 作成日時:2020年5月4日 23時