つきあってる？ ページ38
私は加藤さんが言うような「家に職場を持ち込まない」ってことが全然できなかった。
加藤さんをシゲアキくんとか呼ぶの難しい。第一恥ずかしいし。
「下手くそか！」「てかそもそもあなたも加藤でしょ！」ってめっちゃ言われた。
いつまでも恥ずかしがってたら、「逆に俺が恥ずかしいんだけど？シゲアキくんって呼ばれたがってる俺超恥ずかしくない？」って言われた。
私なんかにシゲアキくんって呼ばれたがる加藤さんがかわいくてきゅん。
加藤さんは、職場で妹キャラに徹する私のこだわりを、ぐじぐじ言いながらも一応は理解を示してくれていた。
ただ大っぴらにはしないし、わざわざ見せつけたりはしないけど、特に隠そうともしてない、みたいな。
だから仕事帰り、さりげないふりして一緒に帰ろうとするから、無言で見つめて首振ってみたり、「うるさいよお兄ちゃん！」ってかわしたり大変。
でも結局加藤さんは外で待ってるんだけど。
今日も外のベンチで待ってたのが見えた。
どうしようかな、って迷ってたら、私のうしろから「あ。加藤さん」って、女の子の声がした。
バイトの子。茶色のツヤツヤした髪が肩で揺れる。
振り返ったけど、もしかしてこっちの加藤さんじゃない？と思ってたら私を呼んだらしかった。
「加藤さん今帰り？」
「はい」
たぶん同い年くらいなんだと思う。
歳をきいたことはないけれど。
なんとなく、敬語。
「ねぇねぇ、加藤さんって、あの加藤さんと本当に親戚とかなの？」
「ううん、違います。他人です」
「すごい仲良いから本当に兄妹なのかと思ってた〜」
「……仲良いですかね？」
「付き合ってるんだよね？」
「……つきあう……とは？」
加藤さんみたいになっちゃった。
「あ、噂をすれば加藤さんだ」
ベンチにいる加藤さんに気づいたその子が、うれしそうに言う。
「じゃあ、私はここで、お疲れ様でした」
そう挨拶したあと、危ない危ない、って早歩き。
背後からバイトの子のうれしそうな声が聞こえるけど、内容まではわからない。
だいぶ離れたとこまで来たとこで、ちょっとだけ振り返る。
背の高い加藤さんを見上げるようにして、バイトの子がお話してる。
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ぺんぎん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。お話の中の一人一人が丁寧に描かれていて、ほんとうにほんとうに素敵です。これからも応援しています。 (2020年3月4日 1時) (
レス) id: f15aa4c564 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 完結おめでとうございます！いつもこっそり拝見しておりました(笑)じぇにさんの作品はどれもひらがなと漢字の使い分けが絶妙で、ニュアンスがとっても丁寧に伝わってくるところが大好きです。新たなじぇにさんの作品に出会える事を願いつつしばらくこの作品に浸ります。 (2020年1月28日 23時) (レス) id: 7bc6073c03 (このIDを非表示/違反報告)
もか - いつも楽しく拝読しております！主人公ちゃんの不安や怖がりな部分と、それでも弱いだけだったり気持ちが揺らいでるわけではない芯の強い部分がようやく報われたような気がして、このまま幸せになってほしいと感じました、、これからも楽しみにしています！ (2019年12月28日 0時) (レス) id: 729ed0c340 (このIDを非表示/違反報告)
あやぽにょ - やっとですね（；＿；）よかった、、、！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: f2bcd42dc1 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます！増田くんのストーリーから読んでいて、この物語は主人公ちゃんの名前を若菜にして読んでるのですが、加藤さんの幼馴染の名前を自分にしたくて名前の設定を増やして貰えませんでしょうか、、、？ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2019年11月5日 21時
