夏祭りの日 ページ22
正直に言うべきか
言わないか…
一瞬悩んでしまった私。
紫耀君の真っ直ぐな目を見たら
言わなきゃって思った…
A「本当はちゃんと行ったんだよ」
紫耀「え？」
A「お気に入りの浴衣着て
髪も普段しないアップにして
慣れないメイクもして…
紫耀君に会う為に
ちゃんとあの場所へ行ったよ」
この夏祭りは
久々に紫耀君と
話すチャンスだと思った。
全て、全て
話そうって、
紫耀君に気持ち伝えようって
私が好きなのは紫耀君だったって
彼女ともまだ続いているかも
わからない状況だったけど
私はずっと想ってたよって事
そのお祭りで言うために
待ち合わせ場所へと行ったのに…
A「けど…」
そもそも
想いを伝えたいと思った時点で
間違いだったんだ。
紫耀「けど？」
A「紫耀君、他の女の子といて…」
もの凄くショックだった…。
A「もの凄く可愛い子で…」
あれ？って
私
この日だけは
紫耀君と二人で
お祭り回って
話すつもりだったから…
A「彼女も連れて来てたんだって」
紫耀「いや、そいつは…」
あの日を思い出して
目がだんだんと
視界悪くなってきて
A「そ、そしたら…」
A「目の前でキスしてるとこ見ちゃって…」
A「私......、
無我夢中で走ってた…」
行き先なんて分からない。
ただあの時の私は
あの場から早く逃げたかったんだ…。
涙は溢れ出てきて
紫耀君の前で
あまり泣いた事のない私は
A「ちょっと待ってね、すぐ…
すぐ泣き止むから…」
こう言うのが精一杯だったんだ。
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作者名：まる | 作成日時：2019年7月13日 0時
