君にこの気持ち伝えたくて (ページ12)

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矛盾ページ12

A「ねぇ、紫耀君」

紫耀「ん？」

A「もし…、もしもだよ？」

A「高校の時

私が紫耀君に告白してたら

どうしてた？」

紫耀「……」

ズザーーッと

足で地面を擦る音が聞こえ

紫耀君は

ブランコを漕ぐのをやめた。

眉間に皺を少し寄せて

目を閉じた紫耀君は

何か考えている時にする仕草だ。

紫耀「ん〜わっかんねー」

そう言って

考えるのをやめた紫耀君は

またブランコを揺らし始める。

紫耀「竜の気持ち、なんとなく
前から知ってたからな…。

どうしてただろ…俺」

A「じゃぁ…

…今だったら？」

紫耀「…え？」

紫耀君は驚き

私の顔を

真っ直ぐに見つめてて

ギィーコ、ギィーコと

ブランコの揺れている音だけが

やけに響く。

A「ううん、何でもないっ！」

ハッとして気付く。

私、何言っちゃってるのだろうって。

でも

紫耀君の気持ち

ちょっぴり知りたかった。

知りたいと思う反面

知りたくないとも思って

矛盾がうまれて

「何でもない」なんて

咄嗟に言ってしまったけど

芸能界という特殊な職業をする

紫耀君だから

モテモテなはずで…

彼女だって

現在進行形でいるかもしれないって思ったら

紫耀君の言葉を

恐くて待つ事が出来なかった。