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「ほーへんふふな?」
「両面宿儺。おい、食べるか喋るかどっちかにしろ」
「……」
向かい合わせの席で牛タン定食大盛りを頬張る私に、伏黒恵が小言を挟む。
昨晩回収し損ねた特級呪物の行方捜索のため、今日は放課後の高校に潜入するのだと伏黒恵は言う。
腹が減っては戦はできぬ。
お昼時を過ぎて空いてきた時間帯を狙って伏黒恵が見つけてきた牛タン専門店の暖簾をくぐり、仙台の味を噛み締めていた私に、伏黒恵は五条先生から送られてきた特級呪物の画像を見せた。
「げっ、」
小さなスライド式の木箱に収まる呪物の画像。
こんな手のひらサイズのが特級呪物なのか、と思った次の瞬間に伏黒恵が画面をスワイプして、古びた呪符でぐるぐる巻きにしてあるそれの中身を見た時には、そう口にしていた。
特級呪物は、変色した指の死蝋だった。
その名に相応しい、おどろおどろしい見た目のそれは大変に気色悪く不気味だった。
……食事中だぞ。
「全部で20本ある。その内の6本を高専で保管しているが、残り14本は捜索中だ」
「20……手足?」
「いや、両面宿儺は腕が4本、顔がふたつある仮想の鬼神。たがそいつは千年以上前に実在した人間だ。
呪術全盛の時代、術師が総力をあげてそいつに挑み敗れた。
宿儺の名を冠し死後呪物として時代を渡る死蝋さえ消し去ることもできず、現存の術師では封印も追い付いていない」
「……。」
「おかげで呪いは日に日に強まっている。
昨日の高校に置かれていたものも、恐らく封印が弱まっているはずだ」
「……もし、封印が解けたら?」
「特級だぞ。そこら辺の呪霊でも取り込めば、最悪人が死ぬ」
「……。」
ヤバいじゃん。
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます!とても励みになります!更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2021年10月16日 21時) (レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました!面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早瀬モモコ | 作成日時:2021年10月12日 1時