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突然彼女から聞かされた話は、まるで入院した日に起きた些細な出来事そのものだった。
聞こえた子供の笑い声。
怪我をした猫。
「スズさん... それって...」
「...私が病院に来ていた理由は、"大切な人を探すため"でした」
俺が退院する日、彼女から最後に聞かされた言葉。
「その大切な人に、あの日やっと出会えたんです」
あの日... それはきっと、屋上で彼女が俺を助けてくれた日だろう。
「私はもう、あまり長くありません。元々身体も弱くて。...だから、」
そこまで言うと彼女は手のひらをそっと俺の喉に近づけて、微笑みながらこう言った。
「増田さんの不幸を全部、私に持って行かせてください」
彼女と最後に会った日、彼女はこんなことを話していた。
"猫は人に懐かないように見えるけど、最期は "大切な人の不幸" を全部持っていくんです" って。
それを思い出して、俺の中で全てが繋がった。
あの日助けた猫のこと。
もうダメだと思った命が助かったこと。
毎日身体が楽になっていくこと。
全部奇跡なんかじゃなかった。
「スズさん... まさか俺の代わりに...」
そう言うと、彼女はほとんど出なくなってしまった声で、
「増田さん。これからも大好きな歌、たくさん歌ってください。そしてその歌声を、たくさんの人に届けてください」
って笑った。
それを聞いた俺は、涙が止まらなくなってその場に崩れ落ちる。
「そんなの... 俺なんかのために...」
すると彼女はそっと背中をさすりながら、
「助けてくれて、ありがとうございました」
って優しく呟いた。
その声を聞いてすぐ、俺は急に目の前が真っ暗になってそのまま意識を手放した。
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抹茶(プロフ) - 本当に感動しました！少しずつ彼女がどんな人なのかわかっていくのにすっごいドキドキしました。このお話を読んでいると慶ちゃんのニャン太も不幸を持っていってくれたのかな？なんて思ったり。とにかく本当によかったです！ (2021年4月11日 15時) (
レス) id: 0a3381035e (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - たたったさん» たたったさん、はじめまして！ありがとうございます(^^) この作品、割とあっさり終わってしまいましたが、楽しんでいただけて嬉しいです♪ 新作の方でも、よろしくお願いします( ´∀｀) (2019年9月29日 9時) (レス) id: f6c349c01f (このIDを非表示/違反報告)
たたった(プロフ) - こんにちは！前作で大ファンになりました！今作も面白かったので、次回も頑張ってください！楽しみにしています！ (2019年9月28日 15時) (レス) id: 06910a2f85 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - にーなさん» にーなさん、はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます（；＿；）このお話はもうすぐで終わりそうなんですが、引き続きよろしくお願いします(*^o^*) (2019年9月27日 21時) (レス) id: f6c349c01f (このIDを非表示/違反報告)
にーな - みーぽんさん、初めまして！前作から毎日楽しみに拝読させていただいております(^^♪このお話も展開が気になっているので楽しみです！頑張ってください！ (2019年9月27日 14時) (レス) id: d6634a8534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんみ | 作成日時：2019年9月23日 9時
