検索窓
今日:18 hit、昨日:3 hit、合計:112,417 hit

初恋は想い出に ページ33

棘は元々結構お喋りが好きな方だった

意図せず呪ってしまうからいつも慎重に言葉を選んだりゆっくり言ったり変なところで単語を区切ったりと色々と試した

「棘くん、遊ぼ?」

「いい、よ」

そんな棘を私はいつも後ろから付いて行ってたっけ

小さい頃から強力な呪術を使えた棘は私からしたらどんな物語の王子さまやヒーローよりもかっこよくて

「ねぇねぇ棘くん」

「なぁに?」

「あのね、大好きだよっ」

「う、ん…ありがとう!」

私の初恋の相手だった

今思えば棘は一度も私の好意に答えてくれたことないのに毎日のように大好きと言い続けてた私は凄いと思う

ぐいぐい押しすぎてる…良かった変われて…

あの頃は何故か棘も私の事が好きなんだと何処からか湧いた自信のせいで思ってたし、二言目には私は棘と結婚するんだなんて言ってた

恋は盲目ってね

「Aちゃん、一緒にご飯…」

「食べる食べる!」

そう言えばもう私達が小学校上がった時から棘はお喋り控えてて文章をわざと終わらせず動詞は避けてたっけな

この時からもう意図を汲み取るのは得意だったかもしれない

「Aちゃんは何が好き?」

「棘くん!」

「え!?あ、その…ご飯の話…」

「ご飯ならオムライス!」

昔はAちゃん呼びだったけど、そう言えば今はどうなんだろう

Aちゃんのままかな…それとも私みたいに苗字呼びに変わってるのかな、一人称もどうなってるんだろ、ちょっと気になるな

「Aちゃん…僕、もう、おしゃべ…り…」

「…うん、わかってるよ、大丈夫!私は棘くんのことなんでもわかるよ!」

「本当?」

「うん、棘くんがお喋りできなくても私は全部わかってあげる!」

「僕の…僕が喋らなくても理解してくれる?」

「うん!約束!」

「約束」

「「どちらかが喋れなくなっても理解しようね」」

初恋を掴み取りに→←031



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
196人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 狗巻棘
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:天音 | 作成日時:2021年1月9日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。