キミとのキセキ (ページ9)

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結局、クラスに向かって階段を登り始めたのはいいけど、周りに人が溢れているから、なかなか進めない。

周りには友達と仲良く楽しそうにしてる子達が沢山いて、4人とかの友達で横1列に並んで階段を占拠してるから、少し通りずらいんだよね。

でも、少し勇気を出して、すいませんって言って外側の方のスペースを少し開けてもらい、自分の教室までの階段を登り切り、自分のクラスを探した。

そして、階段の意外とすぐ近くに、自分の教室は存在していたの。

1年D組って書かれた看板(？)みたいなのが教室の上の方の窓の近くに取り付けられていて、ここが自分の教室かぁ、と思った。

それから、ピッタリと閉じたクラスの扉の上には透明な窓みたいなのがついていて、それのおかげでクラスの様子が見える。

なんか、仲のいい子は、もう教室の真ん中の方で集まって話していた。

　……憧れの陽キャ…！！！

　……私もあの輪の中に入りたい！

でも、やっぱ恥ずかしくて話しかけられないかも…。

結局、この入学式までの待っている時間は話しかけず、自己紹介みたいな時に仲良くなろう！と心の中で決めた。

それから、教室のピッタリと閉まっているガラガラってする引き戸を開けるのは、私には少し勇気が必要なことで。

中にいる人たちに扉を開ける音がうるさすぎて迷惑かけちゃったらどうしよう、なんて不安が頭をよぎる。

……だめだめ、そんな人のことばっかり気にするんじゃなくて、これからは明るく前向きに行くんだから！

そして、私は覚悟を決めて、扉を開けた。

……でも、大分扉を開く音が大きかったらしくて、クラスの真ん中の方で話していたグループの人たちが私の方に視線を向けていたんだ。

も、もしかして私のせいでこっち見てる…？

…えっ、はずかしい！！

そう思って顔が真っ赤になったのを感じる。

「ご、ごめんなさいっ、お話の邪魔しちゃって！」

とりあえず頭を下げて謝ったものの、私は驚きの光景を目にしてしまった。

「えっ…。」

思わず声が漏れる。

だって、そのクラスの中心メンバーの中には…

……私と同い年の従兄弟、北山宏光がいたから。