10ー2,これで最後にするから【ジン視点】 ページ32
汗を流しながら、苦しそうに眠る○○。
僕が傍について、ずっと看病してやりたかった。
けど…
今この瞬間も僕は、彼女の生気を奪っているのだと思うと、○○に対する罪悪感と自分に対する嫌悪感とでおかしくなってしまいそうだった。
ふと目に入った、ベッドの縁に並べられた黄色い宝石を手に取ると、それを眠っている彼女に握らせる。
辺りが眩しく光り輝いて、僕の可愛い弟が現れた。
「よっ。」
ジミン「じ、ジンヒョン?!
びっくりしたぁ……テテと話してたら急に呼び出されたから………」
「驚かせたよな。ごめん。」
ジミン「……この子が○○ちゃん?」
そう聞いたジミンは、うなされる○○の額に手を当てる。
ジミン「っ!…あっつ!
どうしたのこれ?!大丈夫?!」
「…大丈夫ではない。ヒョンのせいなんだ。」
ジミン「え?……どういう……」
「ジミナ、頼みがあるんだ。」
ジミン「……なに?」
「ヒョンの代わりに、この子の傍にいてやってくれないか?」
ジミンの目をまっすぐに見てそう頼むと、彼は特に理由も聞かず“わかったよ”と答えてくれた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
“何も言わずにあの子の前から姿消して、悲しませるようなことだけはしないでよ”
ジミンに言われた言葉が、僕の胸を罪悪感で締め付ける。
彼女のために、会わないべきか。
“○○ちゃん、ずっとヒョンに会いたがってた”
彼女のために、会いに行くべきか。
結局僕は、彼女に会いに行くことを決めた。
きっと彼女のためではない。
僕のためなんだ。
けど、長くは居られない。
ほんの少しの間だけ、彼女をこの目に焼き付けられたら……
そしたらこの気持ちに区切りをつける。
そう心に決めた僕は、人間界へと向かった。
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『オッパー!』
僕を見るなり嬉しそうに駆け寄ってくる○○。
素直で可愛らしいその姿に、思わず口元が緩む。
ジン「ヤー、○○。久しぶり。」
『オッパ!どうして黙って帰ったんですか!?』
ジン「ごめんってぇ。そう怒るなよ。」
『……嫌われたかと思いましたっ』
そう言って口を尖らせながらぷいっと目を逸らす○○。
その姿があまりにも愛おしくて、“そんなわけないだろ”とつい強く抱き寄せてしまった。
『っ…』
ジン「……○○?どうした、大丈夫か?」
『ちょっと目眩が…』
10ー3,伝えなきゃいけないこと→←第10章ー1,想定外【ジン視点】
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時