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Aがいなくなってから、もうすぐ１年が経とうとしていた。
人は不思議なもので
あんなに悲しくてつらい事があったのに
俺は今、普通に生活している。
夏頃、雅紀に誘われて、一緒にペットショップに行った。
「ほらこの子かわいいよ。潤も抱っこしてみなよ」
Aとは違う種類のかわいい子。
雅紀の手から受け取ったその子は、俺の腕の中を嫌がるように動き出し、雅紀の方に行きたいかのように吠え出した。
やっぱりAだけなんだ・・
「返すよ」
雅紀にその子を返して、ショップを後にした。
俺に懐いて、俺を慕って、俺を愛してくれるのは、Aだけなんだ。
Aしかいない。
なのに俺は、Aを・・・
「潤っ、待って」
雅紀に腕を掴まれる。
「潤・・ごめん」
俺の顔を見て謝る雅紀に
「雅紀が謝ることじゃないよ。俺が動物に好かれないのは前からだし。Aだけが特別だったんだ。だから俺はA以外の子を飼うつもりはないよ」
と笑って見せたけど、上手く笑えていたかは自信がない。
Aじゃなきゃダメなのに、
Aに出会えたのに、
Aを失ってしまうこんな運命、誰が決めたの？
そんなことを考えてる自分がいた。
もう会えないってわかってる。
でも
部屋の片隅に
公園の芝生に
ペットショップの店先に
Aの姿を探してる自分がいた。
雅紀や翔さんに心配かけていることはわかっていたから、それからは前みたいに過ごすように心がけた。
でも、家に帰るとAとの思い出が溢れかえっていて。
それでいいと思った。
もし俺がAのことを忘れてしまったら、Aはひとりぼっちになってしまう。
最後を一人で逝かせてしまったから、今はまだAと一緒にいてやりたかった。
窓から見える公園の木々が、ピンクに色づき始めている。
Aのいなくなった春が、もうすぐそこまで来ていた。
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ちな(プロフ) - ayaさん» ayaさん、コメントありがとうございます。とても嬉しいです！期待に沿えるかわかりませんが、がんばりますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年4月6日 7時) (
レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ちなさん、こんにちは！初コメです。まだ始まったばかりのこのお話ですが、ワクワクしながら読ませて頂きました。私もＪに飼われたい！続きも楽しみにしてますね^^ (2019年4月1日 12時) (レス) id: 09a0cb5a29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちな | 作成日時：2019年4月1日 0時
