27 ページ27
昼休み、自販機でコーヒーを買ってると、翔さんに声をかけられた。
「松本が彼女と一緒に出社してきたって噂になってたよ。相変わらずの人気ですな」
「何言ってるんですか」
「クリスマスだもんな。そりゃ一緒に過ごすっつーの。なぁ？」
「まぁ。・・Aをほっとけないんで家に呼んだんですけど、最中にAに邪魔されちゃって、拗ねられて大変でした」
って笑いながら話したら
「邪魔って？」
って、え？そこ深く聞く？と思いながら
「部屋の外で鳴かれちゃって、仕方ないから中断しちゃったんですよね」
「ぅわー、そりゃ怒るわ。よく拗ねるレベルで済んだね」
「ですよね。・・・でも、正直困ってて」
「ん？」
「レイだけなんですよ、Aが吠えるの。俺、動物にずっと嫌われてきたんですけど、そんな俺にさえ吠えなかったのに、なんでかレイにだけ吠えるんですよね。どうしてなのか全然わかんなくて」
「それさぁ、ヤキモチ焼いてんじゃないの？」
「ヤキモチ、ですか」
「そう。Aちゃんわかってるんだよきっと。レイちゃんが松本のこと自分から奪ってくって」
「奪うって。いやぁ、そんなことあります？」
「Aちゃん賢いし。俺は絶対そうだと思う。Aちゃんだって女の子だもんな(笑)」
仕事の後、レイと食事してから帰ってきて。
夜の散歩で公園を嬉しそうに走ってるAを見ながら、昼間の翔さんとの話を思い出していた。
冬の夜はすっげー寒くて、帰り道Aを抱き上げる。
あったかい・・・
「Aはどうしてレイにだけ懐かないんだよ。もしかしてホントにヤキモチ焼いてるとか？・・・なんてね。困ったなぁ・・・」
ため息をついた俺の顔をAがペロッと舐めた。
ため息の原因はお前だぞ、と思いながら
Aをぎゅっと抱きしめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちな(プロフ) - ayaさん» ayaさん、コメントありがとうございます。とても嬉しいです！期待に沿えるかわかりませんが、がんばりますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年4月6日 7時) (
レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ちなさん、こんにちは！初コメです。まだ始まったばかりのこのお話ですが、ワクワクしながら読ませて頂きました。私もＪに飼われたい！続きも楽しみにしてますね^^ (2019年4月1日 12時) (レス) id: 09a0cb5a29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちな | 作成日時：2019年4月1日 0時
