キミは神様。

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陣痛との戦いは、
凄まじくて、

時々、意識が飛んでしまう。


お母さんが私の腰を必死でさすってくれて・・・


遠のく意識の先にあるのは、
高校生の私のお葬式の場面。


だけど、分かった。


智は今、

死神の神様、神ちゃんになって、
過去の私に会いに行ってくれてる。



きっと戻って来てくれる。


だから・・・


私はちゃんと、
無事に智の赤ちゃんを産むんだ。


一人でも・・・


智に助けてもらった命だもん。



生きたい。


そして、新しい命を私が守るの。








陣痛と戦ってたのは、
１７時間だって。

後から聞いて、
驚いた。


７月１日の早朝。


無事に可愛い可愛い男の子が生まれた。


名前は智と決めたいから・・・


まだ赤ちゃんって呼んでる。



今日は智の２７回目の誕生日。


だから意識が戻るって信じてるんだ。




病室のベッドの脇で智の手をぎゅって握りしめる。


「智、赤ちゃん、生まれたよ？
すっごい可愛い智にそっくりの男の子だよ。
早く一緒に名前決めようよ」


涙がこぼれた時。


智がうっすら目を開けた。


「・・・智？
気付いた？
良かった・・・」


涙が後から後からこぼれ落ちる。


そんな私を見て。


智が優しく笑った。


「赤ちゃん、生まれたよ？
可愛いの。
早く会ってあげてね」

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