キミは神様。

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神様の服は、二重構造になってるらしくて。


上に羽織ってた真っ白な袈裟を貸してくれてもまだ、黒い着物を着てた。

襟元に赤い糸で、
神って縫い付けてある。


「コスプレにしか見えないんだけど。
本当に神様なの？」


「正確には死神やけど・・・
正真正銘の神様やで？」


変に胸を張ってる。


「でも、人間の名前持ってたじゃん」


「まあ細かい事は気にすんな」


「気にするわ！」


思わず、突っ込みたくなる。




だけど久々に笑った。


この神様、年上のはずなのに、可愛いし。



「そう、その調子。
わろてたら、戻れる！」


神様が言った時。



意識が戻った。



お風呂場にいる。


血に染まった湯船にめまいがしたけど。


頭はちゃんとはっきりしてるし、
手首が少し痛いだけ。


大丈夫。


うん。


お湯抜いて、手首は止血して。


病院に行くほどでもなかった。




家族が帰ってくる気配がして。


「どうしたの？その傷」


お母さんが心配してたけど、


「脱毛しようとして手が滑った」


そう嘘をついた。


「そう、
明日も朝練でしょ？
ご飯食べたら、
早く寝なさい」


って。



明日も部活。


辞めたい。


でも言えない。


高校、退学になったらどうなるんだろう。


今時、中卒なんて・・・


大学の推薦も取れそうなのに・・・

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