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30話 ページ33

広い湯船で手足を伸ばす。
冷えきった体がほぐれていく。
入浴剤もいい匂いだ。桜かなにかだろうか。

十分にのんびりしてから脱衣所に戻る。
そこにはまだ新品らしきスウェットが用意してあった。

厚手の生地だから下着がなくてもまあ大丈夫だろう。
当たり前だがサイズが大きいので、手足の裾は折り曲げた。

「……上がったか」

ぺこりと頭を下げると、先生はパタンと本を閉じた。

「夕飯は何がいい」
「……オムライス」

先生は微笑んだ。

「子供舌だな」
「ほっといてください!」

先生は手早くオムライスを作り始めた。
その手つきに思わず見とれてしまう。

「……先生は、何が好きなんですか」
「俺?そうだな……。牡蠣フライかな」
「へえ。なんでですか」

先生はフライパンに目を落としたまま答える。

「口に入れて噛み締めたときにサクッとして、ふわっとするだろ。あれがたまらない」
「ああ!わかります」

そこで私は不意に焦りを覚えたのだ。
先生の家に来たというのは、またとないチャンスなのではないかと。
そして血迷った。

「じゃあ私、先生にとっての牡蠣フライになりますね!」

先生はしばらく私を凝視していた。
わたしはよく分からないガッツポーズを決めたまま固まっていた。

「……お前の言っていることはたまに訳が分からん」
「へへへ」

私にもわかりません。

「それは俺に食われたいということでいいのか」

顔を上げると、先生はおもしろそうに私を見ていた。

「……そう、ですかね」

曖昧に答えると、先生は目を見開き、そしてまたオムライス作りに戻る。

「冗談だ。別に食ったりはしない。……だから怯える必要は無い」
「別に怯えてなんてないです」
「なら怯えるべきだ。……ほら、できたぞ」

言い返そうとしたが、現れたふわふわとろとろのオムライスに何も言えなくなってしまった。

「……美味しそう」

私はすぐに手を合わせた。

「いただきます!!」

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紫苑(プロフ) - うちの先生に地味に似ててめっちゃドキドキする、、! (10月12日 0時) (レス) id: 97657b2818 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - 続きを楽しみにしています! (9月29日 20時) (レス) id: 53e0d56435 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき(プロフ) - すごい面白いです…!更新楽しみに待ってます! (4月21日 21時) (レス) id: 46965b36a8 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 忙しいとは思いますが更新楽しみに待ってます (1月11日 14時) (レス) id: f6179e8ebe (このIDを非表示/違反報告)
eightwest1112(プロフ) - 続き気になります!更新期待してます(><) (2018年5月26日 10時) (レス) id: d4fd760440 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年9月27日 14時

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