【名前変換オリジナル】先生こーりゃくっ！！

13話 ページ15

鍵を差し込んでかちゃりと一回まわす。

「…ただいま」

返事はない。
真っ暗な玄関。
すぐに電気をつけた。

まだ父さんと母さんは帰って来てないようだ。
類さんはもう仕事に行ったあとだろう。
…「夜のお仕事」と言っていたが、それ以上は聞かなかったので詳しくは知らない。
大体わかるけど。

食卓の机の上にはってあるメモを見た。
≪A、お帰りなさい。夕食は戸棚の中にあります。≫
大体夕食は類さんと食べるのだが、今日は私の帰りが遅かったせいか、先に食べて仕事に出かけたようだ。
戸棚を開けると、シチューのようなものと色彩豊かなサラダがあった。
…ビーフストロガノフ、だったかな？
彼はやたらと洒落たものばっかりつくる。しかもそのほとんどが非常においしい。

「いただきます」

レンジで温めたビーフストロガノフを食べて、ほうっと息を吐く。
うまい。体の芯まであったまる。
全部食べ終わるころには、体はほかほかしていた。

「ごちそうさまでした」

食器を流し台に置き、風呂に入る準備をする。
いつもなら夕食のあとは宿題をするのだが、今日は先に風呂に入りたい気分だ。

湯船でゆったりと身体をのばす。
今日はいい日だった…気がする。
明日も先生に会えるの楽しみだなー…、とそこまで思って愕然とした。

私先生に惚れてんのか！？

「いやでもさすがに教師はダメだろ！」

自分の思考を叱咤して湯船から出る。
もやもやと考えたままシャワーのレバーを捻って冷水を浴び、一人で盛大な悲鳴を上げた。
超つめてぇ…！！

14話→←12話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す