27．煙草と、珈琲の香りに。 ページ27
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ナビを頼りにたどり着いたそこは、木の手書きの看板を提げて珈琲の香りを漂わせていた。
チリン、と踏み込んだ扉から鈴の音が響いて、辺りを見渡す。
壁一面の本棚に、びっしりと並んだ小説と、壁の間にある梯子のような階段。
簾が陽射しを遮るように窓にかけられていて、薄暗い中でオレンジの照明が壁から光っていた。
そこは休日にしては伽藍としてて、本の匂いと漂う煙草の匂いが、学校の小さな国語準備室を彷彿とさせる。
あれ、禁煙可能なら、今は多分未成年は入れないはず。
そう思って振り向いてドアを掴もうとした瞬間、
「1名様ですか？」
と女性の声がした。
「はい……、あの、ここって喫煙できるんですか？」
「煙草のにおい、気になりますか？」
「あ、いやそうじゃなくて、においは全然平気なんですけど。」
そう言うと、ああ！と軽やかに声を上げて、
「大丈夫ですよ。ほとんどお客さん来ないですし、お客様が気にならないならどうぞ！」
と全てを察して答えた上で、傍らのメニュー表を取って奥へと進んだ。
2人がけの小さなテーブルに通されて、丸いテーブルの上にメニュー表を数枚置く。
「こっちがドリンクで、こっちが軽食です。珈琲のおかわりは無料になってます。また決まった頃に来ますね！」
とテーブルを離れていった彼女は小脇に丸いお盆を抱えて、茶色いエプロンからボールペンとメモ帳が覗いていた。
ブラックの珈琲は飲めないから、どうしようかと、たくさん品目が書いてあるメニュー表に目を通す。
でもこの店の雰囲気や、漂う珈琲の香りで飲めるか分からないのに頼んでみたくなった。
豆の種類が沢山書かれていて、私にはどれがどんな味かなんて分からなくて、携帯を取りだして豆について調べようとしたとき、
さっきの店員さんが戻ってきて、お決まりですか？と問う。
「あ、おすすめの豆を教えてください。」
「あ〜、酸味と苦味、どちらがお好みですか？」
「酸味かなあ、」
「だったらこれですね！」
とメニュー表を指さした彼女に、「じゃあ、それを」とお願いして、会釈する。
メニュー表を全てまとめて持って、「少々お待ちください」と言ったあと、あ！となにか思い出したように戻ってきて、
「階段を登って2階にも本があるのでよかったらどうぞ！」
と笑った。軽い足取りで戻って行った彼女を見つめて、入口を見たら、チリンと音を立てて、他の客が入ってくるのが見えた。
「先生、」
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憂(プロフ) - みやさん» みやさん。コメントありがとうございます。こちらの私情であるにも関わらず応援して頂きまして、本当にありがとうございます。これからも先生と主人公ちゃんをよろしくお願い致します( •̥-•̥ ) (2022年12月1日 9時) (
レス) @page40 id: 39a6e0a5de (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 憂さん、はじめまして せつと申します。人生最大ゴタゴタの中素敵なお話を紡いでくださりありがとうございます。スローでもよきよき♪待ってますので 憂さんのペースでどうぞ。いい子で次のお話待ってますね。 (2022年12月1日 9時) (レス) @page40 id: a88f73c135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂 | 作成日時：2022年11月4日 3時
