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天元side
親父に言い当てられて、Aが出て行った戸とは別の戸の裏から…少しの気まずさを感じながらも姿を表す
親父とこうして間近に対面したのはいつ振りだろうか…
あんなに大きく感じていた父の体も、今じゃ背丈も俺の方が幾らか高く感じる程だった
天元「いつから気付いて……」
満継「あの子が私に啖呵切った辺りから、ずっとそこで聞いていたのだろう?」
天元「…!最初からバレてたって事かよ…っ」
母さんに事情を話し終え、それでもやっぱり気になってしまって…きっとここだろうと教えてもらい様子を伺いに来た時には
既にAは親父とサシで話し始めていて……
万が一Aが既に親父と鉢合わせて怯えでもしていたら、話に割って入ろうかとも思っていたけど…
_A「お言葉ですが……っ」
その声色からは、恐怖ではなく…強い意志と決意の固さが伝わってきて
結局俺は最後まで、ここでただ存在を消して耳を傾けるだけだった
満継「そう簡単に私の目を掻い潜れると思うな……」
そういや、親父は昔から周囲の人の気配とかに敏感だったっけ…
あの頃は、どれだけ息を潜めていても見付かってしまう父の鋭さが怖くも感じていたが
_満継「…妻に言わせると、私はかなり不器用らしい
特に子への愛情表現は上手くいった試しがない…
そういう役割は全て妻が担ってくれていた
だからせめて、良き道へ導ける当主と言う役割を全う出来るよう努めてきた」
本当はずっと、歩み寄りたいと思ってくれていたのだろうか
俺の行動で、それまで信じてきた物が覆されたと言っていた
俺が家を出ても何も言わず、ただ自由に生きても何も言わないのは
すっかり愛想を尽かされたからだと勝手に思い込んでいたけれど
……本当は、ただ信じて待っていてくれただけだったのか…
俺が…俺の納得出来る形を見付けられるまで
満継「…何をしているんだ天元…いつまでもそこに居ていいのか?戻ってお前の姿が無いと、あの子が不思議がるだろう」
天元「…!……あ…じゃあ、俺も戻…「天元…(満継
……?
父の言葉に急かされて部屋に戻ろうと踵を返した瞬間、背の方から父に呼び止められ振り向くと
満継「……良い子じゃないか…幸せにしてやりなさい」
天元「…!」
笑った顔なんて、生まれてこの方見た事なんてなかったのに…
天元「……んなの、言われなくても…っ」ニッ
A、お前はやっぱり凄ぇな…
一瞬で…止まってた時間が……動き出したみたいだ
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レモネード - よかったねぇ〜〜夢がついに叶ったんだね。( ω-、)もうこれでいつでも同じ場所にいれて、景色も一緒に見られるんだ。今まで辛いこともあったけど、めげずにここまでやってきたんだし、もう大丈夫だよ。 (2021年11月15日 1時) (レス) @page50 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 天元さんの甘々加減には、周りも一緒に赤面物ですね(^^)そして、夢主がずっと目指していた夢がやっと現実に……これで天元さんと同じ場所で同じ景色を見られますね!ずっと頑張ってきて良かった…!努力は必ず報われますね! (2021年11月13日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 梅ちゃん〜、本当に有言実行だね。それにしても、すぐ気づくなんてすごいなぁ。周りのことを気にせず、褒めてくれるなんて、本当に天元さんらしいですね。夢主ちゃんも恥ずかしい反面、嬉しかったりするのかなぁ。(’-’*)♪ (2021年11月13日 0時) (レス) @page49 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 夢主を信じて、黙って見守ってくれた天元さんの優しさと暖かさが格好良いですね!そして、有言実行の梅ちゃんが天元さんに爆弾発言させてましたね(^^; あそこで堂々と褒める辺りが流石天元さんと言うか…笑 (2021年11月12日 21時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 天元さんも実はこっそりと話を聞いていたんだね。本当は間に入って自分の口から言いたかったと思うけど、夢主ちゃんも負けなかったね。そしてご両親に気にいれられるなんて、すごい。(゜∇^d)!! (2021年11月12日 0時) (レス) @page48 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2021年10月15日 12時