君と描く物語-番外編-

＃３０ ページ30

宇髄家の男児は十五でお見合いする……つまり、それって…

A｢天元さんも、お見合いしたって事…ですか？｣

まきを｢あ……えーっと…そうね｣

雛鶴｢…｣

A｢…？｣

私がそう質問すると、まきをさんと雛鶴さんは少し気まずそうに視線を逸らした

その理由が分からず様子を伺っていると、答えは直ぐに分かって

須磨｢あぁ！そう言えば…天元さんのお見合い相手って、雛鶴さんだったんですよね〜！｣

A｢…！｣

まきを｢ちょっと須磨…！｣ﾊﾞｯ

はっと思い出した様に須磨さんが言った瞬間、まきをさんが慌てて須磨さんの口を手で抑えた


天元さんのお見合い相手は、雛鶴さんだったんだ……

雛鶴｢Aちゃん、あの…お見合いしたって言っても最初の顔合わせの時点で天元さんは断ってて…っ

元々 お父様の言いなりになるのは御免だって、その場にも無理矢理 連れてこられたみたいだったから……それに昔の事で｣

A｢あ…大丈夫です！私が嫌な思いするかもって思って気遣って下さったんですよね…っ｣

確かに、雛鶴さんはついさっき会ったばかりの私でも分かるくらい素敵な女性で
こんな人と 私の知らない過去で結婚を誓い合う仲になっていたかもしれないと聞けば、かなり衝撃は受ける


だけど……

A｢今 その話を聞いても、嫌な気持ちは抱いてませんから｣ﾆｺｯ

私には、天元さんと出会ってから交わしてきた言葉や
過ごして来た暖かい時間や思い出がある

そのどれを思い出しても、今の天元さんが私を大切に想ってくれてるのは しっかり伝わっているから…

雛鶴｢Aちゃん…｣ﾎｯ

まきを｢さすが…天元さんの選んだ人ね｣

須磨｢愛ですね…！///｣

A｢…/// そんな、大袈裟です…っ……あの、でも…お見合いの組み合わせってどんな風に決められるものなんですか？｣

まきを｢基本的には家柄と、その時のご当主の一存で決めるって感じかな

宇髄家は代々受け継ぐ家業があって…その親元が ここ本家の宇髄家
そして雛鶴の実家は宇髄家の次に権力のある家系で、そこの長女なの｣

雛鶴｢だから あのお見合いの時も 私個人と言うよりは、立場的に選出されただけなの

現に、長男の天元さんとのお見合いが進まなくなって
家業を継ぐのが次男の…今の私の旦那様だって決まって直ぐに二度目のお見合い話が持ち上がったのよね｣

須磨｢と言っても、今やお似合いの夫婦ですよね！雛鶴さん達！｣

雛鶴｢そんな事…///｣

＃３１→←＃２９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す