君と描く物語-番外編-

＃１４ ページ14

[episode3:キャンパスライフ]

私の一日は、朝六時半の目覚ましに始まる

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…

A｢んん…っ｣ｸﾞｸﾞｯ

一つ大きな欠伸と背伸び
カーテンを開けて陽の光を目一杯に浴びて眠気を覚ます

実家よりも二回り程小さなテレビで天気予報と朝一のニュースを流し見ながら朝食と身支度を整え、鞄に教材を詰め込んで家を出る

講義の始まる三十分前には登校
午前の授業が終わり次第、学校内のテラスでランチをしたり
お弁当を持参した日は自由活動室で作品を進めながら昼食を摂る

そして多い時で週に一度…少ない時でも半月に一回は、このタイミングを見計らって無一郎くんが会いに来てくれる

無一郎｢A、また作品作りしてる｣ﾋｮｺｯ

A｢無一郎くん｣

無一郎｢あー！まだ君付け！呼び捨てで呼んでよ〜｣

A｢えへへ…ごめん、慣れなくて｣

無一郎くんは有一郎くんとこっちに出て来て直ぐ辺りから、私の事を呼び捨てで呼んでくれるようになった

理由は……

＿無一郎｢あの人(宇髄先生)がそうだから｣ﾆｺｯ

……らしいです

無一郎くんは事ある毎に天元さんにマウントを取る為に、私と会えば写真を撮って送り付けたりしているそうで

いつの間に連絡先交換してメッセージのやり取りする程仲良くなったのか…

でも……

無一郎Aとランチ。羨ましいでしょ?

無一郎画像添付

天元一々距離が近ぇんだよ…Aから離れろ!


A｢…ふふ｣ｸｽｯ

高校時代の喧嘩ばかりだった二人よりは良い方へ進歩しているのかな？


そして授業の方はと言うと……

愈史郎｢うん…良い色だな｣

A｢…！ありがとうございます…っ｣

あの説明会の時の教授に指導を受けながら、順調に技術向上を謀っている

山本教授とはプライベートでも少しお話する機会もあって、何の話の流れだったか
教授の奥様について話してくれた事もあって……

＿愈史郎｢あの方は、それは天女の様に美しくて…
今もお隣に居させて貰えるのが夢じゃないかと思う程だ

一目見た時から今も変わらず…いや、毎秒その美しさに拍車が掛かっていき……｣

普段はつんとした雰囲気の教授が、奥様の事を話し出した途端にあんなに饒舌になったのには驚いたけど
それだけ愛されてるって証拠なのだと微笑ましかった

…夫婦ってやっぱりいいな


でも、夫婦になるという事は
相手の人の家族とも関わりを持つという事で……

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