君日記（ Ⅰ ） (ページ24)

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最初の手札の数は

紫耀くんが一番多い

ふつうにババ抜きは進んでいくんだけれど

1枚だけ高くしてみたり

1枚だけ低くしてみたり

みんな探り探りでカードをひいてるから

じっと目を見つめられることが多い

っていうかほとんどだ

いちいちどきどきしながらも

なんとか私が1位抜けできちゃった

そんで最下位は紫耀くん、笑

最初から結果はわかってたなんて

絶対言わないよ、笑

2回戦も紫耀くんが一番多い

最後二人で残って

5回くらいJokerが行き来してる

その度に見つめられるし、

私も見つめなきゃいけないから

心臓の鼓動は加速しっぱなし。

この勝負、負けたのは私

「え、紫耀くんに負けたの、私、笑」

紫「おいおい、彩みたいなこと言うなよ笑」

君が彩ちゃんの名前を呼ぶと

胸が苦しくなるのは変わらない

廉「ほんま弱すぎやん笑」

そう爆笑してる廉くん。

最終戦はなかなかみんなのカードが減らない

「ちょっと紫耀くん返してそれー！」

紫「廉、それとんなよ！」

廉「これはババです」

とか言いながら

楽しくて終わってほしくないやりとりが続いた

それでババは、

廉くん笑

まさかの引き分け

じゃんけんかなんかで

びりを決めるかと思いきや

紫「じゃーみんなで行くか」

って言い出すから

心の中で大きな声で

やったーって叫んだ

聞こえてたらどうしよ笑

紫「流石に女の子のこと

　廉の家になんて危ないから

　俺送ってくる笑」

廉「じゃー俺も行くし」

紫「え、それじゃ意味ないじゃん笑」

廉「はいはい、どーぞ笑」

そういって私の手をとり

家を出る

その手を離さないまま、

紫「なあ、Aちゃん」

「、、ん？」

紫「突然いなくなったりしないよな？」

なんとも言えなかった

私が会える時間が限られてる

夏が終わったら会えないなんて言えなかった

「ん、？どうして、？」

紫「夏が終わったら

　楽しい思い出と引き換えに

　大切なものなくなっちゃう

　そんな気がしてさ、、」

「そっか、」

それしか言えない私を

君は思い切り抱きしめた

あの時と同じあたたかさだ、

でもあと1分しかない、

その日の最後は

君の腕の中で迎えた。