君日記（ Ⅰ ） (ページ21)

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紫「おはよ！」

廉「おはー」

あれ、いつも通りじゃん…

やっぱり気にしていたのは

私だけだったのかな

紫耀くんにとって私は

ただの海で出会った女の子

それだけなのかな、？

そんなの悲しい、

そんなことより、

彩ちゃん、どこ、？

なんで一緒じゃないんだろう

でもなんだか聞ける雰囲気じゃないな

聞いちゃいけない気がする

でも許して、？

ちょっとだけ安心しちゃった私がいるの。

クズ、だよね、？

雨が降っていたから

自転車に乗ることができない

大きな傘が3つ

ゆらゆらゆれながら

まっすぐな道を不器用に歩く

紫「ねえ」

「ん？」

紫「道狭いし、はいって」

混乱した私を

傘という小さくて幸せな空間に

そっと導いた。

そして傘を持つ右手は

持ち手と私の左手を

しっかり包み込んでいた

私はなにも聞くことも

笑いかけることもできないまま

学校についた

ふと紫耀くんの方をみてみる。

すると

君は優しく微笑んでみせてくれた。

教室に行っても

彩ちゃんの姿はなかった

斜め前のぽっかりあいた空間に

若干の違和感を覚えながらも

君と1つとなった机を眺める

その奥の廉くんも

つまんなそうに座っていた

お昼休み、

私は少し離れた席の女の子に聞いてみた

「彩ちゃんって、？」

「あー今日いないよねー

　体調悪いんじゃないー？」

「そうなんだ、

　教えてくれてありがとう」

「仲良しだもん、寂しいよね、」

「うん、とっても」

そう、

廉くんとのやりとりを見られないのも

笑いかけてくれる彼女の顔を見られないのも

結局は寂しい

三人の関係が崩れちゃうのはもっと悲しい

だから好きを伝えるタイミングは

今じゃない。よね、？