栗花落 ページ8
「化け猫…」
慧「そう、化け猫。
よく君の学校にも行ってるよ、中島裕翔くん」
確かに、学校で珍しい猫を見たって言う話をよく聞く
それは彼の猫の姿だったのか
慧「だけどいーの、圭人。
俺が鳴いたから侑李も来ると思うよ」
圭人「智洋、は？」
慧「…友だちとイチャイチャしてたから来ないね」
慧がそう言うと遠くから飛んできた
侑李「どうしたの慧、鳴いて…人間？」
侑李は俺を見るなり訝しげな顔をする
「人間、じゃなくて裕翔って言ってよ。
せっかく名前教えたんだからさ」
侑李「そんなことはどうでもいい。
なんでまたこの森に入ってきたの？」
俺は袋を見せる
「昨日、圭人の服を洗濯してそのままだったから届けにきたの。
俺が持ってたら圭人に悪いでしょ？」
そう言うと侑李は静かになった
慧「あはは、侑李論破されてるじゃん」
侑李「…わかった。
だけどここじゃダメ」
「その…勝利って子が嫌がるから？」
侑李は頷く
侑李「勝利は僕たち以上に人間が嫌いだからさ。
圭人の家に行こう」
慧「なら俺はここで。
智洋たちのイチャイチャ見てくるから」
慧は黒猫になるとどこかに駆け出してった
侑李「ついてきて」
圭人は俺の手を取り、侑李についていく
「えっ、圭人の家でしょ？」
侑李「圭人の家だけど、圭人は場所を知らない。
だから僕がいつも連れていく」
そうなのか…
「侑李は圭人の保護者的存在だね」
侑李「そ、そう言うわけじゃ…」
侑李の顔が赤くなる
照れてるのかな…？
侑李「…ついたよ、ここが圭人の家。
荒らさなければ好きにして」
「わかった、ありがとうね侑李」
侑李はそのまま奥へと飛んでいった
すると圭人がぎゅっと俺の手を握る
「圭人…？」
圭人「…るい」
何か、小さな声でいった
「どうしたの、圭人。
何も聞こえないよ」
圭人「侑李ばっか…ずるい。
俺も…裕翔に褒められたい」
顔を少し赤くして言う圭人
その行動が愛おしく感じてしまう
「…家、入ろっか」
そう言ったのは時間的には数秒後だったけど、体感的には長雨感じられた
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作者名：慧jump
| 作者ホームページ：http://wakabassl
作成日時：2020年8月3日 23時
