君いる所は雨降る (ページ7)

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栗花落ページ7

放課後のチャイムが鳴ると急いで教室を飛び出した

外を見ると雨

傘をさしてあの森に向かう

赤信号さえ無視したい気持ちになる

森の中に入ると昨日と全然変わらなかった

「圭人ー、侑李ー」

彼らの名前を呼んで中に入っていく

侑李あたりが反応してくれるかな…と心待ちにしていると目の前に誰かが降りてきた

見た目は人間だけど、おしりにあるのは9つの尻尾

そして頭にある獣耳

「…誰だ？」

赤い目が、俺を貫く

「えっと…」

「人間が…ここに入ってくるな‼」

彼がそう叫ぶとビリビリとした空気が森全体に広がった

ここにいちゃいけない

そう思って急いで駆け出した

赤い瞳は追いかけてくる

どんどん奥に入っていくとさらに幻想的な風景が広がっていった

上で猫がにゃーと鳴く声がした

猫もここが好きなのかな？

って、そんなこと考えてる場合じゃない‼

どこかに逃げ込みたいんだけど…

するとまた上から物音がした

ガサガサと言う音がした後に、ドンと何かが降りてきた音

振り返ると俺と赤い瞳の間に誰かが入っていた

その後ろ姿はすぐにわかった

「圭人…」

圭人「勝利、裕翔は、悪くない」

勝利と呼ばれた彼は足を止めた

勝利「…どう言うこと？」

圭人「裕翔は優しくしてくれた。

他の人間と違う」

圭人の足は震えていた

勝利「…圭人、騙されてない？」

勝利が聞くと、圭人は大きく頷く

勝利は赤い瞳を伏せた

勝利「…なら、勝手にして」

そしてどこかに去っていった

俺は腰を抜かしてそこに座り込む

圭人「…大、丈夫？」

圭人はそっと手を伸ばしてくる

「ありがとう…圭人」

俺はその手を取った

「それにしても、よくここがわかったね」

圭人「慧が…教えて、くれたんだ」

慧…？

上からまた猫の鳴き声が聞こえる

しっかりと上を見ると、黒猫がいた

その猫は圭人の腕の中に落ちてくる

圭人は優しく撫でた後、地面に下ろす

すると猫は姿を変えていったのだ

「にゃったく…俺が呼ばなきゃ圭人わかんなかったでしょ？」

その姿は人間となった

茶髪のふんわりした髪に青い瞳

「ど～も、化け猫の慧です。

よろしくにゃ♪」