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審神者就任一日目 中 ページ17

それからしばらく、コンピュータと向き合い続けた。機械類に強くない自覚があり、使っているのもガラケーである自分には下弦の鬼を斬るより余程精神を使うもので、何度頭を突っ伏してしまいそうになったかわからない。

「これで大抵の事は出来ると思いますよ」

「(そうか)疲れた…」

まとめると、本丸空間に入ったら避難所に向かい安全の確保の為に空間内を書き換える。その後護身用の刀を作ってもらい本丸に向かう。との事でいいだろう。

ここへ来たのとは違うゲートの元に案内されながら、頭の中でぶつぶつと復唱する。根性論の方が得意なのでこういうのは割と専門外なのだが。

「その方が新しい審神者様ですかァ!?」

子供のような甲高い声が聞こえて振り返る。見目幼い姿の刀剣男士も居ると聞いたがその類か?

そう思って僅かに視線を下げる
…?
更に下げる

「!?」

そこに居たのは狐…狐?こんな丸々してたか?
未来の狐とは肥えているんだな…

無意識に一歩後ずさりながら観察する。

「審神者様?」

間違いなくこの狐?から声が出ているらしい。
狐?は不思議そうにこちらへ前足を出してくる。

あ、やめろ。こっちに近づいてくるんじゃない。イヌ科の生き物はダメなんだ。

「こちらがあなたの本丸を担当しているこんのすけです。本丸の機能はこんのすけに命じていただければある程度操作できるようになっていますので」

「(Sir〇みたいなものか)これは、狐か?」

「高度なAIを搭載したロボットになりますね。」

こちらを見上げているこんのすけと目を合わせる。…生き物でないなら噛まないか?

「(噛まないなら)問題ない」

そう言うと嬉しげに尻尾を振るこんのすけ。
未来のロボットは流石だな。また、この時俺の頭に浮かんでいたのが青い猫型ロボットであることは完全な蛇足である。

「それでは参りましょう。山の麓に繋がっておりますので、しばらく歩くことになりますが。」

「(お前は歳なのに山登りなんかして足腰は)大丈夫なのか?」

「…?刀剣男士の皆様にはこんのすけが伝えておりますし、いきなり襲撃を受けることは無いかと思われます」

「そうか」

あっさりとゲートを潜らされ、二度目の浮遊感とともに今度は土に足がつく。
先程の建物の中より余程落ち着く匂いだ。弟弟子や先生のように鼻が利く訳では無いが、どこか懐かしさを感じられる。

…?

スっと視線を生い茂る木の方へ向ける。

「どうかいたしましたか?」

「ここは動物もいるのか」

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ふわな - あの某掲示板感が面白いです!更新待ってます! (2022年8月12日 15時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きを寒いなか正座で待機中 『フクフクフク……………どこ?』 (2021年2月6日 22時) (レス) id: b89caa16cb (このIDを非表示/違反報告)
めがね - つ・・・続きを・・・O( ° O ° O) (2021年1月23日 22時) (レス) id: af4084f8cb (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き!!(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新頑張ってください!! (2020年10月11日 23時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年7月12日 14時) (レス) id: 0be41e7afe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トイプードル | 作成日時:2019年9月24日 11時

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