44、日常 弍 ページ46
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なんだか累のことをずっと見ていられなくて、目を逸らして急いで話題を変えた。
「そ、そういえばさ…!なんであの時累達全員家にいなかったの?家の周辺にもいなかったし」
「ああ、あの時はちょうど怪しい奴が山を彷徨いているって話を聞いて家族みんなでそいつを探してたんだよ。案の定鬼殺隊だったから殺しといたけどね」
なるほど……てっきり私に愛想つかしてみんなどこかへ行ってしまったと勘違いしてた…。
累に言ったら馬鹿にされそうだから言わないけど。
「…そういえばなんでAは僕が髪飾り買いに行って戻ってきた時いなかったの?」
うぐ…!そういえば思い出した。全ての原因は私が累がいない間に私欲に走ったからだった。
私が醜態を晒した時のことを思い返す。確か累は私が逃げたと思ってあの時怒ってたんだっけ…。
「……人を…斬りたくて……累がいたら邪魔されるかなって思って累がいない間にちょこっと斬ってこようかなと……」
「………………はあ」
目を逸らしながらしどろもどろにそう答えたら長い沈黙の後、累の大きなため息が部屋に響いた。
「そういう時は次から僕に言ってね」
「はあい…」
呆れたようにそう言う累に小さく返事をする。
もう懲りたから次はしない。あんな思いは二度とごめんだ。
「ふふ…」
「…なに笑ってるの」
「いや、またAとこうやって話せて嬉しいなあって」
「……………………」
なんなの、なんなのこの気持ちは。
さっきから心臓がうるさい。
「あっそ………」
素っ気なく返事をしてまた布団に包まった。
が、また累に無理やり剥ぎ取られた。
「あ……!」
「….Aまた顔赤いよ?もしかして……照れてる?」
そう言ってイタズラっぽく笑う累に私は近くにあった枕を投げつけた。
「照れてまーせーんー!」
「じゃあなんで顔赤いの?」
「赤くないし!眼悪いんじゃないですかー?病院紹介してあげようか?」
「照れてるA可愛い」
「〜〜〜!うるさい!」
「A可愛い」
「お願いだからもう黙って!」
あーもう心臓がドキドキうるさい!
これじゃあ前と立場逆じゃん。
なんなのこれ、これじゃあまるで…まるで………
……………あーもう!これ以上考えないようにしよう。
本当累といると調子が狂う。
この後しばらくはこれで累にからかわれ続けるのであった。
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時