88 強さを ページ43
「アタシを灼いた奴らも殺してよ 絶対
アタシ一生懸命やって…『ペラペラとうるさい口だ』
鬼の言葉を遮り
目にも見えぬ速さで斬りかかっていたのは禰夜だ
その攻撃よりもはやく斬りかかる
男の鬼 妓夫太郎 の鎌
その鎌を目に見えないほどの速さの一振りで
弾くと 風月を振っていた
振り抜いた箇所は斬撃となって
氷の刃が飛ぶ
妓夫太郎は一瞬 驚き 既のところで斬撃を避ける
だが肩には氷の刃が刺さっていた
妓夫太郎が何か口にしようとしたが
禰夜はそれを許さない
何度も何度も 鎌を弾きながら
氷の刃を突き刺す
氷の刃は簡単には溶けない
そして再生も許さない
禰夜は4ヶ月 炭治郎たちよりも
過酷な訓練を続けた
たった一人 寝る間も惜しんで鍛錬を続けた
その結果 型を使っていなくても
凍らせる斬撃を身につけた
『楽しいなぁ 楽しいなぁ！ なあ鬼』
そして 昔と変わらぬ 狂人のように
上弦の鬼を前にしても笑うのだった
「禰夜 下がれ」
『先輩だからって
カッコつけられても困る、なぁ！』
そして 禰夜が強く降り抜いた風月の斬撃は
妓夫太郎を突き飛ばしていた
『でも 少しの間宇髄さんに任せる
この人間達を少し遠くに連れていく』
この人たち というのはまだこの場におり
逃げることが出来なかった人間達だ
「あぁ 頼む」
狂人 は変わっていなかった
だが 禰夜が柱になるために必要だと言われていた
協調性を身につけたことによって
融通が効くようになったのだ
禰夜は宇髄が庇っていた人たちを抱え走る
できるだけ速く
できるだけ遠くへ
禰夜がなぜそうしたのか
宇髄は 妓夫太郎とぶつかり合う
妓夫太郎の血鬼術 飛び血鎌 に対応しながら考える
そして 宇髄の技で 轟音と共に爆ぜた
そう 禰夜は宇髄の呼吸 考え をよくわかっていた
『全く 派手好きは困る』
禰夜その音を聞きながら 人間を地に置いた
『こっからは自分の足で逃げろ』
「「は、はいっ」」
人間は一目散に駆けてゆく
それを見届け 禰夜はまた駆け出す
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作者名：癒姫 | 作成日時：2019年8月13日 11時
