79 柱として ページ34
「待てよ オッサン！！」
嘴平くんのその声も虚しく
フッ とすぐに消えていた
私もついて行こうか迷ったが
二人を置いていくわけにも行かない
「俺たちの階級が一番下の階級だから
信用してもらえなかったのかな…」
え？まだ癸なの？
「俺たちの階級は"庚"だぞ もう上がってるぞ」
だよね
嘴平くんの言葉に驚きの表情を見せる炭治郎
「えっ？」
「階級を示せ」
嘴平くんはグッと拳を握って
手の甲に階級を浮き上がらせた
藤家彫り という特殊な技術で成されている
鬼殺隊の印だ
そして 二人でどこに行くだの
鬼がどうとか 話し出すから水を差した
『炭治郎 嘴平くん…呼びにくいな
伊之助』
その声に二人の声は消え
私を見ていた
『鬼は善逸の所 京極屋の花魁 蕨姫だ』
「なっ」
『昨日京極屋の表で突き飛ばされて
肋が何本か折れた
受け身をとったら鬼殺隊だとバレるからこうなった
でも伊之助の所にも現れたなら
それも同じ鬼だと思うんだ』
「大丈夫なのか 禰夜！」
『このくらいで帰れないし
それに私も柱だからね
宇髄さんがいない間は私に従って』
「わかった」「おう！」
さて 今夜から始まる
今度こそ 私は動く
あれから四ヶ月してきたことを発揮する
誰も死なせない
「俺は善逸も宇髄さんも奥さんたちも
皆生きてると思う
そのつもりで行動する 必ず助け出す
禰夜と伊之助にもそのつもりで行動して欲しい
そして絶対に死なないで欲しい
それでいいか？」
全く同意見だよ
本当に双子というのは考えることまで
似てるのか
「お前が言ったことは全部な
今俺が言おうとしてたことだぜ！！」
『よし じゃあ夕まではこれまで通り
それぞれの場所に行って
私は外から探ってみる あまり期待しないほうがいい
時間になったら荻本屋へ
伊之助は時間になっても
私や炭治郎が来なかったら先に行け
炭治郎は油断だけはしないこと
もし一人になっても 生きてろ
生きてさえいればなんとかなる わかった？』
「わかった」「よっしゃ行くぞ」
そして それぞれがそれぞれの場所に散った
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作者名：癒姫 | 作成日時：2019年8月13日 11時
