106 解毒 ページ13
気がつくと 禰豆子が俺を覗き込んでいて
宇髄さんの奥さん達が宇髄さんを抱き起こしていた
辺り一面には季節外れな雪が積もっている
善逸は起きていて 伊之助は伏している
そういえば あの時… 禰夜が！
そう思って手を伸ばせばすぐ側に禰夜はいた
「炭治郎！禰夜ちゃんが！禰夜ちゃんが！！」
俺が起きたことに気づいて
善逸は泣きながら禰夜の心配をしていた
禰夜に目を向ければ
満身創痍 生きているのが不思議なほどに弱っていた
「禰夜！」
『生きてる 生きてる…』
呼吸を整えるのもやっとで
ヒュー ヒュー 言っている
また俺たちは禰夜に助けられたのか
…あれ？どうして俺毒回ってるはずなのに
「いやあああ 死なないでぇ
死なないでくださぁぁい 天元様あ〜」
泣き叫ぶのは 宇髄さんの奥さんの須磨さんだ
「せっかく生き残ったのに！！
せっかく勝ったのに！！
やだぁ やだぁ！！」
「鬼の毒なんてどうしたらいいんですか
解毒薬が効かないよォ」
宇髄さんの奥さん達は泣いている
どうしたら…
「最後に言い残すことがある…」
宇髄さんはそんなふうに呟く
この場面は ついこの間見たばかりだ
助けろ 助けろ
どうしたら…
そんな中 宇髄さんの奥さん達は喧嘩を始める
『宇髄、さん 死なせないって…』
ズルズルと起き上がる禰夜
でも禰夜の技じゃ毒は…っ
『私じゃなく禰豆子がね おいで禰豆子』
凍るその手で禰豆子を引き寄せて
伊之助と宇髄さんの手を禰豆子に握らせた
ふと 静まる奥さん達
そして次の瞬間
ボッ と燃え出す宇髄さんと伊之助
っ！！そうか
「ギャアアアッ 何するんですか
誰ですかあなた
いくらなんでも早いです 火葬が
まだ死んでないのにもう焼くなんて
お尻を叩きます
お姉さんは怒りました！！」
早口で禰豆子に向かってペラペラと喋る須磨さん
それを力なく笑う禰夜
そして 驚いた表情をしたのは宇髄さんだった
「ちょっと待て」
その声に須磨さんの動きは止まる
「こりゃ一体どういうことだ？
毒が消えた」
驚いた様子で宇髄さんはそう口にした
(炭治郎sideでした)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：癒姫 | 作成日時：2019年8月24日 12時
