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8 氷華と氷刃 ページ9

ヒュゥゥゥゥ

と息を吸い込んだ


この一年でわかったことがある

いろんな呼吸を知った

けれどしっくりこなかった

一番しっくりくるのは日の呼吸

けれど未熟な上小柄な私では完璧にはできない

できても体力消耗が激しいか

精度が低いか


だから独自に編み出したんだ

雪の呼吸

『参ノ型 氷華 細雪』

私は錆兎の足元に刀を振った

ふるった先には特に何があるわけじゃない

けれど私の斬撃は氷華を生み出した

『散』

氷華は散る

それとともに氷の礫を飛ばしながら

向こうの集中を錯乱させるための型

礫となった氷華は攻撃性がないわけでもないけど

鬼にとってはなんともないんだろう

逆手で刀身が短い

だからって不利なことはない


私は錆兎の間合いに入った

雪の呼吸

ヒュゥゥゥゥ

『壱ノ型 一瀉千里 氷刃』

刀身は届かなくても

私の氷刃は届いた

そして 錆兎のお面が凍てついて真っ二つに割れた

錆兎は哀しそうに

でもなんだか安心したように笑っていた


「絶対生きて戻れ」


そう最後に言葉を残して


今そこにいて

私と戦っていた錆兎はいなくなっていた


真菰もいない



そして 気づいたら


錆兎のお面を切っていたはずの私の氷刃は


大きな岩を斬っていた



真菰の刀は手にある

あれは夢でもなんでもない


「独術で岩を斬ったとはな」


そこに立っていたのは天狗のお面をした人だった

あぁ この人は


『鱗滝…さん』


真菰と錆兎から話を聞いた

2人は鱗滝さんが大好きなのだと


「わしを知っておるか ちょっとこっちへ来なさい」


素直に寄れば

衣類を手渡された


「君によく似た少年が鍛錬している」


『…』


それは炭治郎

だって匂いがするの

炭治郎と 少し匂いの変わった禰豆子の匂い


『兄妹だもの 禰豆子はどうして生きてるの?』


「鬼になったんじゃ」


真菰や錆兎から聞いた

傷口に鬼の血を浴びれば鬼となる

そう だから禰豆子は故意的に鬼にされたんだ


『そう…

炭治郎には私に会ったこと言わないでください

それと これありがとう』


「…絶対に生きて戻れ」


『はい ありがとう 鱗滝さん』



私は足を踏み出した


最終選別に向けて



『錆兎と真菰との約束だから』

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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月2日 3時

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