22 速い ページ24
三人も機能回復訓練は始まり
体の揉みほぐしでは
善逸は激痛が走っても笑い続けた
ただ者ではなかった
それには伊之助も引いていた
というよりイラついていた
さらには薬湯ぶっかけ反射訓練ではアオイに勝ち
「俺は女の子にお茶をぶっかけたりしないぜ」
そうかっこつけていたが
裏で話していたことは声がでかすぎて
筒抜けだったため
少女たちの目は厳しかった
全身訓練の鬼ごっこでも勝ち星をあげたが
ボッコボコにされていた
続いて負けず嫌いの伊之助
思いっきりアオイに薬湯をぶっかけ
鬼ごっこでは捕まえたアオイを逆さに吊り上げ
怒られていた
炭治郎は
(俺だけ負け続けてずぶ濡れ… 恥ずかしい)
わっしょい わっしょい となほたちを抱き上げ
喜ぶ善逸
だが善逸と伊之助が順調だったのはここまで
カナヲには勝てない
誰も彼女の湯飲みを押さえることはできないし
捕まえることができない
禰夜を除いては…
三人は二人の湯飲みぶっかけ反射訓練を見ていた
二人の湯飲みぶっかけ反射訓練は速すぎた
カナヲでさえ速いというのに
禰夜はそれを上回る
カナヲは一度も薬湯をかけることができていなかった
だが カナヲは濡れていなかった
そのわけは 見ての通りだった
カナヲが抑えられなかった湯飲みは
かかる軌道を描いて 斜めになるが
そこから零れ落ちそうになる薬湯は
パキパキと音を立てて凍っていく
「!?」
炭治郎と伊之助はこれまでも
見ていたためもう驚かなかった
善逸だけが驚いた
『今日も私の勝ち
そろそろ任務に戻ってもいいか?』
カナヲはオロオロとしている中
アオイにまた止められていた
「しのぶ様に止められてますのでダメです!」
全くもう… と呟くアオイに
不満そうに立ち上がる禰夜
全身訓練の鬼ごっこでは
もちろん三人はカナヲが捕まえれないため
禰夜も捕まえられない
三人は結局ずぶ濡れで帰っていく
そしてカナヲは同じ時期に隊員になったのに
どうしてこんなにも差があるのか と考えた
それから五日間 カナヲに負け続ける日々が続いた
伊之助も善逸も
カナヲの髪の毛一本すら触れられなかった
負け慣れてない伊之助はふて腐れてへそを曲げた
善逸も早々と諦める態勢に入る
そして二人は訓練に来なくなった
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月2日 3時