蛇柱と天柱弐 (ページ31)

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伊黒「・・・陸拾玖。」ページ31

その後、伊黒と寄った甘味処では大量にわらび餅食ってやった。

―――――数週間後、

桜田「ほぁぁぁぁぁぁぁ宙丸可愛い可愛い可愛いよぉぉぉぉ。」

私は宙丸を撫でまわす。

ガララララッ

と戸の開く音がする。

伊黒「鼠馬鹿、少し面をかせ。」

桜田「懐かしい感じがしたの気のせいだった。」

伊黒「は？何のことだ。」

桜田「任務かと思った。」

伊黒「任務じゃない。」

桜田「どうしたのさ。こんな朝っぱらに。」

伊黒「朝じゃない昼だ馬鹿が。」

桜田「すみません馬鹿なんでわかりませんでした。」

そう言いながらも私は

父さんの日輪刀と用意してもらっていた私の日輪刀を持つ。

そして私達は歩き始めた。

伊黒「四本も持って行くのか。」

桜田「・・・・使うのは自分用のだけだけどね。」

桜田「・・・・・・傍にあってほしいの。・・父さんの代わり。」

そう言って雲一つない青い空を見上げる。

桜田「今日も空は青い！よし！」

伊黒「くもりも雨もある。毎日が青空ではない。」

桜田「雲も雨もその先は青空だ。
　毎日努力すれば幸せが待っているのと一緒だよ。」

伊黒「・・・俺は努力しても報われない。」

桜田「・・・？なんで？」

伊黒「・・・・・・と、この前まで思っていた。
　如何やら俺の報われる可能性は零ではないようだからな。」

　

伊黒「もう少し・・青空のために努力してみるとしようかね。」

そう言って目を細めてクスッと笑う。

何かわかんないけど、

桜田「格好いいね。・・・・小芭内。」

伊黒「・・・・は？」

桜田「何かに向かって努力している人達は皆格好良いんだよ。
　・・・伊黒も今格好良かったよ。」

無意識に、さらさらと言ってしまった。

ハッとする。

私今・・・。

伊黒「ならば努力してみる。お前が格好いいと言うならば
　間違いないだろう。・・・なぁ？」

伊黒「―――――A。」

桜田「！！」

桜田「・・・そうだよ。間違いないから！・・私に「格好悪い」って
　言われないように頑張ってね。」

私も伊黒の笑みに返す様に笑う。

　

　

桜田「ところで伊黒、面かせって、何か用あったの？」

伊黒「これも努力の一環だ。」

桜田「へぇ～。私協力出来た？」

伊黒「お前次第だ。」

桜田「ねぇねぇ小芭内って呼んでもいい？」

伊黒「俺は全く構わない。」

　